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  • 2006/08/10

【CIOインタビュー】 サン・マイクロシステムズ セキュリティプロジェクト統括責任者 中村彰二朗氏 (3/3)

【マネジメント】企業を強くする情報システムリーダーとは? 毎週木曜更新中!


レガシーからの脱却にはさらなる教育が不可欠

 インターネットがここまで普及したように、オープンスタンダードやオープンソース系のシステムを選ぶ動きは間違いなく広がっていく。しかし、75%の予算が旧来のシステムの維持に使われるということは、多くの技術者がいまだにレガシーシステム関連の仕事をしているということでもある。そうした状況を打破するため、サンでは、高度IT人材育成プロジェクトを実施している。

「Javaをスクリプト言語として理解している技術者や、COBOLのように記述型言語として使用している技術者は少なくない。本来のオブジェクト指向開発に本格的に活用している技術者は、大手ベンダーでも一部の技術者に限られるし、地方のITベンダーではさらに少ないでしょう。そうだとすれば、我々が新しい共通基盤を展開してそれを改革に活用しようと提案しても、その受け皿に困る。ですから、これに合わせて高度IT人材育成をしないといけない。

 地方のITベンダーの人材の多くは、これまで大手メーカーからの仕事を中心に行ってきたため、IT環境を自ら調査選択した経験が少ない。ある地域のITベンダーの代表者達と懇談をした際、Javaは東京の言語、と位置づけた経営者がいたぐらいです。高度IT人材育成プロジェクトは、視野を広げていこうというやる気のある人、地方のベンダー、ベンチャー企業などにチャンスを与えたいという意味を込めたプロジェクトです。現在は札幌、仙台、岐阜、福岡で展開していて、今後は全国各地に広げていこうと考えています。そうしないと、近い将来、日本は、開発コストが安いオフショア開発に安易に踏み切ってしまい、かつて家電業界が経験したIT産業の空洞化が起こり、産業の衰退を招きかねないと心配しています。」


企業人ではない客員教授の立場が有効に

 現在、中村は金沢工業大学IT研究所の客員教授としての顔を持つ。会社が自分にいかに権限を与えてくれても、市場や業界は新たなIT環境構築のための改革活動と、サンの社員としてのビジネス活動を常に的確に識別してくれるわけではない。e-Japan戦略を成功へ導くためには、民間企業の名刺ではなく、大学の客員教授としての肩書きのほうがいいと考え、忙しいなかにあって時間を捻出し、研究開発や論文を書いたりして手に入れた。中村は、e-Japanはもちろん、CIOの重要性を説くことも忘れない。

「CIOの権限を高めるためには、トップにその重要性をわかってもらうことが不可欠です。IT投資額の削減効果や、意志決定支援/BPR(業務プロセス改革)などの効果で結果を出せば、おのずと権限が上がっていくと思いますので、結果を出すようにCIOを支援しています。私の仕事は、そういった構造改革を推進し、IT予算が無駄なく使えるように導くことです。CIOが日本にきっちりと定着すれば、e-Japanは成功するでしょうし、企業も良い方向に行きますよ。」

 情報リーダーのあるべき姿を、中村はこうまとめた。
「業界や企業がオープン思考に向かっているのと同じように、自分で養ったスキルを自分で囲い込まないことですね。常にオープンにしていくことが重要で、自分がやりたいことを実現するためにも、多くのことをオープンにしていかなくてはいけない。吸収してはどんどん伝えることが一番重要です。CIOとしての幅を広げるには、たくさんの人材と交流し、いろんな考え方を知り、多くのコミュニケーションをとることです。それにはIT技術だけでなく、社会構造や企業内の課題などさまざまなことを知り、必ずや改善できると思えるようになることが重要でしょう。」


[会社プロフィール]
■データ
サン・マイクロシステムズ株式会社
代表者名 代表取締役社長 末次朝彦
設立年月日 1986年3月5日
資本金 30億円(2006年1月 現在)
売上高 706億1300万円(2005年6月期)
本社所在地 〒158-8633 東京都世田谷区用賀4-10-1
従業員総数 935名(2006年1月 現在)
電話番号 03-5717-5000(代表)
ホームページ http://jp.sun.com/
E-mail こちらのWebフォームからお問い合わせください
■事業内容
・ネットワーク・コンピューティングの基盤となるコンピュータ・システム
・ソフトウェア、関連機器および保守・教育等各種サービスの販売



中村氏のインタビューは、早稲田大学 小尾教授監修の書籍『日本の情報システムリーダー50人 ビジネス戦略とIT活用の実例』(ソフトバンク クリエイティブ)に掲載されています。お求めはこちらから。


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