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  • 2023/07/31 掲載

ERPの提案依頼書(RFP)の作成方法、ガートナー伝授の「プロセスと注意点」とは

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ERPの導入/刷新は全社規模の一大プロジェクトだ。基本となる進め方は他パッケージと同様だが、その規模と業向に与える影響の大きさからERPの提案依頼書(RFP=Request for Proposal)策定には考慮すべき点がいくつもある。では、どうすれば失敗せずにERPを導入させることができるのであろうか。ガートナー バイス プレジデント,アナリストの本好宏次氏が、ERP選定におけるRFPの作成プロセスや工程ごとに押さえておくべきポイント、RFP特有の策定の注意点について伝授する。
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ガートナー
バイス プレジデント,アナリスト
本好宏次氏

手間暇を覚悟?ERPの提案依頼書(RFP)とは

 ERPの導入/刷新は社内の経験者も極めて限られ、事前の知見獲得機会の乏しさも相まって、どうプロジェクトを進めるべきかで戸惑うケースも多い。

「とはいえ、変に難しく考える必要はありません」と語るのは、ガートナー バイス プレジデント,アナリストの本好宏次氏だ。

「基本は他のパッケージ導入と大きくは変わりません。まずは情報提供依頼書(RFI=Request For Information)をベンダーに提出して、候補となる製品を絞り込みます。その上で、提案依頼書(RFP=Request for Proposal)を提出し、ベンダーによるデモやリファレンスチェック、機能要件などを確認しつつ製品と導入法を最終決定していきます」(本好氏)

 このうちRFIの提出はベンダーにとって案件化前の顧客対応であり、その後のベンダーからの熱烈なセールスは考えにくい。提出書類も2~3ページ程度で済み、検討漏れで後々後悔しないために、事前にベンダーが決まっている場合を除き、提出の労を惜しむべきではないという。

 ただし、RFPの提出フェーズでは状況は一変する。セールスのリードと捉えられるため、ベンダー対応に少なからず手間暇を覚悟する必要がある。提出書類も、「プロジェクト概要」「依頼事項」「導入条件」「提案手続き」「契約事項」「添付書類」と多岐にわたり、総分量は数十ページにもなる。間違いのないERP導入のためにも、そこでの情報の抜け漏れは厳禁だ。

ERP内への実装が「2025年の崖」を招くワケ

 RFPに盛り込むべき情報は種類と量の両面で多く、作成に不安を覚えることもあるだろう。そこで、「大いに活用を見込める」と本好氏が紹介したのが、ITコーディネータ協会がWebで無償提供する「開発委託用RFP見本」だ。

「見本は記載項目を網羅的に示した企業共通の手本となるRFPの“ひな型”です。見本に沿い提案書を作成するベンダーも多く、そのままの流用で何ら問題はありません」(本好氏)

 もっとも、ERPはシステムの規模と業務に与える影響度の両面で他のパッケージ製品と一線を画し、RFPの策定には特有の注意点もあるという。

 まずは「プロジェクト概要」に関してだ。ここではERP導入/リプレースの背景や狙いを説明するが、「留意すべきが、現行を再現するための正確性や精密性にこだわりすぎないこと」だと本好氏はいう。

 ERPを法制対応の記録システムと捉えればそれらも確かに大事だが、それだけでは自社の競争力強化には貢献しない。

「ERPが当たり前に利用される中、多額の導入コストの正当化のためにも、ビジネス価値や従業員体験の向上を目的に設定すべきです」(本好氏)

 その点から次の「依頼事項」で考慮すべきなのが、付加価値を生むERPをどう実現するかだ。その手法として本好氏が推奨するのが、ペース・レイヤの考えに基づく、『革新』と『差別化』を狙いとする機能のERP外での用意と、APIによる疎結合な連携だ。

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新たな機能のカスタマイズによるERP内への実装は「2025年の崖」を招く。外部に機能を用意しAPIにより疎結合で連携させることでリスクを一掃できる
(出典:Gartner(2023年6月))

 振り返ればERPは内部への機能実装のアプローチが取られてきた。だが、弊害としてシステムの複雑化による「2025年の崖」がすでに広く指摘されている。それを回避するためにも今の技術トレンドでは“脱カスタマイズ”を目指すべきなのである。

 本好氏によると、革新機能は従来にないフルスクラッチで、差別化機能はパッケージの流用とカスタマイズで準備するケースが一般的だという。 【次ページ】RFPの作成は絶好のスキル磨きのチャンスに

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