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- 2023/12/06 掲載
ヒットの秘密はあのセリフ?「赤いきつねと緑のたぬき」味だけじゃない「ウマさ」とは
連載:ロングセラー解体新書
CMで表現されている「ある感情」
今回取り上げるロングセラー商品は、きつねうどんとたぬきそばの即席カップ麺である「赤いきつねと緑のたぬき」です。赤と緑のパッケージが特徴的な同製品を一度は召し上がったことのある方も多いのではないでしょうか。
「赤いきつねと緑のたぬき」のヒットの秘密を見ていくにあたり、まず着目したいのは同製品のテレビCMです。
「緑のたぬき」に先駆けて「赤いきつね」が発売されたのは1978年。その当時から、同製品は武田鉄矢さんを起用したCMを一貫して放送しています。武田さんがこれまで出演した同製品の作品数は累計200本以上あるそうです。
昨年放送され話題を呼んだ同製品の CM 「夜食大作戦」篇 では、武田さんは父親役として出演、俳優の麻生久美子さんと、お笑いコンビ「シソンヌ」のじろうさんと共演しています。
CM では、麻生さんとじろうさんは夫婦、武田さんは麻生さんの父という設定。武田さんとじろうさんが麻生さんに隠れて深夜に「赤いきつね」を食べるために協力するという内容です。
一見コメディタッチな内容ですが、「赤いきつねと緑のたぬき」を購入する理由としてよく挙がっていた「やみつき感」を表現するために、隠れてでも食べようとするという演出を行ったと、CMの制作を担当した東急エージェンシーの浦川瑞貴氏は語っています。
この「やみつき感」、「赤いきつねと緑のたぬき」のアピールポイントとしてメーカー側からも訴求されており、同CMの最後でも、「食べたくなったら、止まらない」という台詞が流れるほか、製品の公式ブランドサイトにも、キャッチコピーとして「食べたくなったら、止まらない」が大きく掲載されています。
訴求されている「キャッチコピー」とは
10月から放送が始まったばかりの最新CM「頭から離れない」篇では、武田さんと麻生さんの父娘役は変わらず、じろうさんは麻生さんの夫ではなく、友達以上恋人未満である相思相愛の男性役として出演。恋に落ちている2人とその父親という3人をトレンディドラマ風に描いています。この最新CMでも、最後の台詞として登場するのが「食べたくなったら、止まらない」というキャッチコピーです。
このコピー、実は製品PRで訴求したいメッセージが一言でうまく表現されており、マーケティング視点でとても学びがあるのです。 【次ページ】マーケティング視点で見た「ウマさ」とは
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