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  • 2007/04/04 掲載

日産自動車 CIO 行徳セルソ氏x前川徹氏対談:日産自動車のITへの取り組み

経営革新を支える日本のCIO

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日本が世界に誇る企業の情報システム部門責任者(CIO)にインタビューを行う本企画。今回は日産自動車のCIOである行徳セルソ氏に、日産自動車での活躍ぶりや日産自動車のITへの取り組みについて、前川徹氏が話を聞いた。


日産自動車 執行役員 CIO 
グローバル情報システム本部 本部長
行徳セルソ氏

-行徳さんはブラジルのご出身とうかがいました。まず、日産自動車のCIOに就任されるまでの経緯を教えていただけますか?

行徳氏■私はブラジル生まれのブラジル育ちです。ブラジルの大学を卒業したのち、ブラデスクという銀行のIT部門に就職しました。ブラデスクはブラジル国内でも最大手で、IT投資も多く行われていました。その後、アクセンチュアの前身であるアーサー・アンダーセンのコンサルティング部門に転職し、サンパウロ事務所からシカゴを経て東京に赴任しました。

 その後、アーサー・アンダーセン時代の顧客だった東芝の半導体部門の米国法人に転職し、IS担当に任命されました。アメリカで1年半を過ごしたのち、ソフトウェアベンダであるI2テクノロジーズに転職し、再び日本に来ることになりました。I2テクノロジーズに在籍していた約6年の間に、同社のコンサルティング部門の立ち上げを行っています。  その後、2004年5月にCIOとして日産に入社し、今に至ります。

-これまでの経験は日産でのお仕事に役立っていますか? たとえばI2テクノロジーズが得意とするSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)などはワールドワイドで生産、販売を展開する上でキーとなりそうですが。

行徳氏■これまでの経験は200%役立っていると言っていいでしょう。SCMだけではなく、コンサルティングやインテグレータなどそのときどきの立場でさまざまな業界の顧客と接してきたことが糧となりました。特に、アーサー・アンダーセンから東芝への転職時には、立場が大きく変わり、サービスする側としてのIS部門のありかたや、IS部門に求められるものについて考えさせられました。



前川 徹氏
サイバー大学 IT総合学部 教授
早稲田大学 客員教授
国際大学 主管研究員

-企業によってCIOの位置づけや立場、業務内容は異なります。日産では役員として携わっていますが、業務内容はどのようなものなのでしょうか。

行徳氏■すべてのIT予算を取り扱う権限を任されると同時に、IT関係すべての責任を負う立場です。新たな投資に関する判断も求められますし、ITサービスのデリバリーにおいてはコストと品質の両方を要求されます。

 また、これはCIOに限らずどの職場でも同じだと思いますが、人材育成も大切な仕事です。日産に限らず、たとえどのような企業に行ってもCIOとして活躍できるよう、後輩に学んでもらっています。

-ITの全予算を取り扱うとなると活躍の場も広そうですね。生産現場のFA(ファクトリー・オートメーション)などにも関与するのですか?

行徳氏■ISでは業務をR&D、生産・物流、M&S(マーケティング&セールス)、GRM(ゼネラル・リソース・マネジメント)の4つのドメインに分けて考えています。生産現場のIT化などは、R&Dや生産・物流ドメインのなかで考えられています。R&DドメインではCADや開発プロセスのデジタル化、生産・物流ドメインでは生産システムの効率向上などに向けた取り組みが行われています。たとえば、現在自動化が最も進んだ生産工場として追浜工場で取り入れられているNIMS(Nissan Integrated Manufacturing System)という仕組みがあります。これを世界展開し、生産効率を向上させる取り組みなどがわかりやすい例でしょう。

 M&Sでは本社のマーケティング部門と販売会社のサポートを、GRMでは各システムの標準化とグローバル化を行うことで最適化を目指して活動しています。

 日産ではかつて、部門ごとに業務をアウトソーシングしていた経緯があり、現場のビジネスプロセスを理解している人材が社内にあまりいないという問題がありました。そこで、ビジネスプロセスそのものを考えることも課題となっています。それぞれのドメインにおけるシステム構築は現場とISのコラボレーションで進められ、現場にもビジネスプロセスに関する責任を担ってもらっています。IS側はデリバリするサービスの品質とコストに責任をもち、ユーザー側は情報のリターンに責任を持つというコミットのもと、新規の投資提案を行なっています。

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