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朝が苦手で、毎日会社に行ってもすぐにエンジンがかからない。簡単なタスクをだらだらこなしていたら、いつの間にかお昼休みが近づいてくる。仕事をしていて、そんな経験がある方は意外と多いのではないでしょうか。しかし実は、仕事におけるタイム・パフォーマンス(タイパ)を向上させるためには、出社したての朝をどう過ごすかが非常に重要になってきます。一体それはなぜでしょうか。朝を有効に活用し、タイパを上げる仕事術について解説します。
タイパ向上に「朝が超重要」と言えるワケ
仕事における1日のタイパの質は、朝会社に着いてからの過ごし方に大きく左右されるのをご存じでしょうか。
これは、「ウィルパワー(意志力)」と呼ばれる能力が、タイパに関係しているためです。
ウィルパワーとは、自分の欲望や衝動をコントロールし、計画的に行動するための力のことです。私たちは毎朝、目が覚めた瞬間から選択と決断を行います。その選択と決断には、ウィルパワーを用いています。
ウィルパワーは、何かを決めるたびに消費されます。つまり、1日の中で選択と決断を繰り返していくうちに、徐々に減少していくのです。
今日の服装、食べる物、通る道、かける言葉、すべき仕事、大小問わず、すべての決断がウィルパワーを消耗させます。ささいなことでも朝の段階から、こうした小さな選択が積み重なると、夕方にはウィルパワーがほぼ枯渇し、重要なことを決断する力は低下しています。
そのため、仕事においてタイパを向上させるためには、朝の時間を最大限に活用することが重要です。ウィルパワーが高いうちに最も集中力と判断力を要するタスクに取り組むことで、1日の生産性が大きく向上します。
ランチで悩むのは「無駄でしかない」
ウィルパワーを適切に行使するための大前提としては、無駄な決断を避けることがポイントになります。
たとえば、朝の最初にするあいさつを「自分から、元気良く」と決めておけば、あいさつの順番や仕方に悩むことなく、エネルギーを節約できます。同様に、職場で最初に取り組むタスクをあらかじめ決めておくことで「何から始めるべきか」と悩む時間を削減できます。
アップルの創業者スティーブ・ジョブスは、常に黒のタートルネックにデニムという服装をしていましたが、これは、服を毎朝選ぶという無駄な意思決定の労力を省くためだったというエピソードを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
朝のルーティンや行動をルール化してウィルパワーの消費を防ぐことで、可能な限り決断の数を減らす。その分、重要な意思決定やクリエイティブな仕事にエネルギーを集中させることが可能になるのです。
では、仕事をする上で、何をルーティン化すればいいのでしょうか。具体的な事例を、いくつか挙げてみましょう。
たとえば「お詫びの連絡を電話でするかメールでするか迷ったときは、電話ですると決める」、「面談したら翌日の午前中までに、お礼メールを送る」といった具体的なルールを設けておけば、毎回の選択に悩むことなくスムーズに行動できます。
定型業務のシステム化も、ウィルパワーを温存するために有効です。よく使うツールや書類は整理して、必要なときに、すぐに取り出せるようにしておきます。これにより、無駄な探し物にエネルギーを費やさず、重要な業務に集中できます。
さらに、「選択肢を限定する」ことも、ウィルパワーの無駄遣いを防ぐ手段の1つです。毎日同じ時間にランチを取る。常に同じ場所で会議を行う。このように日常の小さな選択肢を減らすことで、無意識にウィルパワーを節約できます。ランチに関して、何を食べるかで迷うことが多い場合、週のメニューをあらかじめ決めておくと、決断のストレスを軽減できます。毎週月曜日はA定食、火曜日はB定食と決めるのです。
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