- 2026/08/14 15:00 掲載
JAXA、火星衛星「フォボス」探査機を公開、今秋にH3ロケットで打ち上げ
フォボスに着陸して表面の砂や石を採取し地球へ持ち帰るMMX計画
フォボスは直径約20から30キロメートルのいびつな形をした小天体である。探査機は地表面に降り立ち、専用の採取装置を用いて砂や石などの試料を獲得する。その後、火星圏を離脱して地球への帰還ルートに乗り、2031年に採取したカプセルを地球へ投下する予定だ。深宇宙探査の歴史において、火星圏の天体からのサンプルリターンは未踏の領域であり、計画どおりに試料回収が実現すれば人類史上初の成果となる。
本ミッションは日本が探査機全体の設計やシステム統合、打ち上げ運用を統括する一方、欧米の宇宙機関と緊密に連携する過去最大規模の国際共同プロジェクトでもある。探査機には、フランス国立宇宙研究センター(CNES)とドイツ航空宇宙センター(DLR)が共同開発した小型ローバー「IDEFIX」が搭載されており、着陸に先立ってフォボス表面を走行し、物理特性の直接観測を行う。さらに米国航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)も科学観測機器や地上局ネットワークの提供で参加している。国内からも日本放送協会(NHK)が開発した8Kおよび4Kのスーパーハイビジョンカメラが積載され、火星圏の超高精細な映像取得を担う。
JAXAはこれまでに「はやぶさ」および「はやぶさ2」で小惑星からのサンプルリターンを成功させており、そこで培われた自律制御や微小重力下での採取技術がMMXに引き継がれている。持ち帰られた試料の分析を通じて、火星の衛星が小惑星の捕獲によって生じたのか、あるいは巨大衝突によって形成されたのかという起源論争に決着をつけるとともに、太陽系におけるハビタブル惑星の形成過程の解明に繋がることが期待されている。
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