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  • 2007/10/29

【中国ビジネス最前線(9)】上海フリーペーパー×Webメディアミックス事情-プロト

上海で無料中古車情報雑誌をリリースする「宝路多(プロトコーポレーション)」

中国の躍進が叫ばれてはや数年。日本人は大手企業に限らず、中堅中小企業、個人でも中国でビジネスを展開するようになった。ここでは、中国でビジネスを営む企業や個人の生活を現場の目線でお伝えする。

上海フリーペーパー×Webメディアミックス事情

宝路多がある上海の徐家匯エリア
 「カーといえばグー」で良く知られているクルマ情報誌「Goo」、このGooを発行しているのが名古屋に本社があるプロトコーポレーションだ。同社は日本での実績と経験を武器に、中国一豊かな都市である上海で無料中古車情報誌を発行している。

 プロトのグループ会社で現地法人である宝路多(上海)広告有限公司が発行する無料中古車情報誌の名称は『吉車』。吉車は2006年の7月25日に創刊、それに先立つこと3ヶ月前の4月から月刊でトライアルとして別の名前で雑誌を立ち上げた。当初の発行は月1回のペースであったが、2007年の6月より月2回のペースに変更され、ページ数も16ページから20ページに増えて現在に至る。また2006年の9月25日より、同じく中古車情報を紹介するWebサイト「吉車網(中国語)」を立ち上げた。現在見ることができるサイトは2007年4月にリニューアルされたものだ。さらにはコールセンターを設置。同社は紙媒体とWeb媒体、コールセンターの3つのアプローチで上海市場に訴えかける。

 同社の紹介をする前に、中国人にとっての「中古製品」についての認識について紹介したい。日本では古着、古本、中古車、中古PCといった具合に、消耗品以外のたいていのものが中古品として販売されているが、中国の多くの地域では、中古というと「安い」というイメージ以上に「汚い」とか「盗品」のイメージがあり、受け入れられていないのが実情だ。さすがに仲介物件や中古車など、元々が高価なものであれば中古のものでも中国人は受け入れるようだが、元々の値段が高くないものに関しては中国人の中古に対する抵抗は強い。しかし、平均所得が中国一高い上海ではちょっと事情が変わってくる。他の地域と違い、逆に安い中古品が受け入れられており、古本屋というのが普通に存在する。上海において同社が進出できる市場が存在するのには、高所得者が多いという理由とともに、風土的に中古品が受け入れられるという理由もあろう。

 これに関して、同社副総経理(副社長)の金仲吉氏は「上海人は『メンツもあるが安く車が欲しい』ため、『値段は下がらないか、下がるならいつ値段が下がるのか』というのを特に気にしているようです」という。そういった上海人の気質をもとに、同社の展開する紙媒体とWebメディアは、豊富で新鮮なコンテンツを武器に、上海市場で支持を得ている。

 吉車の現在のページ数は20ページ程度と、日本のGooを知っている読者にはあまりに薄く違うものになっていると感じるかもしれない。これについて「Gooのノウハウを活用すれば中国でもGooと同等の情報量の情報誌を作れるとは思っています。ですが先に形だけにこだわりすぎると初期投資が過大になってしまいます。需要に合わせてページ数を拡大していこうと考えています」と副董事長(副会長)で同社唯一の日本人である神谷健司氏は語る。


※クリックで拡大
中国で発行されている中古車情報フリーペーパー『吉車』
 「当社の情報量は1300台強と競合他社の2倍あります。また新鮮な中古車情報をより早く、という目的を掲げているため、Webサイトをリニューアルし、紙媒体も月2回の発行にしました。情報量と情報の鮮度については自信があります(神谷氏)」。同社の8名の取材メンバーは出社すると10時には皆中古車ディーラー・交易市場へ向かう。各取材スタッフは、取材が終われば帰社し、その日のうちに取材したデータを入力する。そうして集まったデータはすぐにWebサイト上に反映され、Webサイトでは新着情報を見ることができる。また2週に1度、できるだけ新しいデータをピックアップしまとめ、紙媒体がリリースされる。

 順調そうに見える同社の事業だが、紙媒体である吉車の発行にはいまでも苦労していると神谷氏は言う。「フリーペーパーなので発行部数を非常に重視しています。ですが、問題は『流通』にあります。5万部であれ10万部であれ、郵便を含め、ちゃんと流通してくれないのです。中国では紙を売ることができるので、置く場所によっては丸ごと持っていかれ資源として売られてしまうこともあります。現在は上海市内のローソンやファミリーマートのラックにおいていますが、意図して日系企業を選んだというわけではなく、立地条件、集客条件ともに他と比べてよく、また流通網としてしっかりしているのが理由です。それに加えて喫茶店やオフィスのラックにも置いており、現在のところ15万部を発行しています。今後もドンドンと部数を上げて行きたいと思います。」

 創刊から1年経ち、吉車は上海ですっかり認知されていて、また上海人の読者には「これはよい」と好評だ。評判の良さは今年別の形となって現れているという。今年に入り吉車を見て、無料情報誌の発行に携わりたい、同社で働きたいという人が増えてきたのだ。

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