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- 2025/08/01 掲載
MCPとは何かをわかりやすく解説、なぜOpenAIがアンソロピックと手を組むのか
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/
MCPとは何かをわかりやすく解説
Claudeの開発企業として知られるアンソロピックが2024年11月に発表したModel Context Protocol(MCP)が生成AIでの技術標準になってきた。
MCPとは、これまでバラバラだったAIエージェント用ツールの提供方法と呼び出し方を共通化し、エコシステムを形成しやすくした画期的な仕組みだ。
従来のAIアプリケーションは、個別のツールやデータソースとの連携に独自の実装が必要だったが、MCPを利用することで、標準化されたインターフェースを通じてさまざまなツールやデータにアクセスできるようになる。
これにより、AIアプリケーションの開発効率が大幅に向上しただけでなく、異なるAIモデル間での相互運用性も大きく改善している。
たとえば、家電メーカーが「製品の取扱説明書を検索できるツール」をMCP対応(サーバ)で公開すると、ClaudeデスクトップやGitHub Copilotなど、さまざまなAIエージェントがその検索機能を即座に利用できるようになるのだ。いわば「USB規格のようなプラグアンドプレイ」と呼べるもので、AIツール間の連携を飛躍的に高める仕組みとなる。
一般的に、MCPが公開される際、「MCPサーバ」と呼ばれることがほとんどだが、実際のところは、クライアント側で動作するケースが多く、プラグイン拡張機能として認識するほうが理解しやすいかもしれない。
これまでにさまざまなMCPサーバが公開されているが、特に注目されるMCPとして、マイクロソフトのPlaywright MCPが挙げられる。これは、ブラウザ自動化ライブラリ「Playwright」のMCP対応版で、AIエージェントがWebサイトと直接やり取りできる環境を提供する。

スクリーンショットベースではなく、アクセシビリティツリーを利用したアプローチを採用しており、より安定的かつ効率的なWebサイトの操作が可能だ。
Playwright MCPの機能は多岐にわたり、ブラウザのナビゲーション、フォーム入力、要素のクリック、ドラッグ&ドロップなど、人間が行うあらゆる操作をAIエージェントが実行できる。さらに、タブ管理やPDF保存、ファイルアップロードといった高度な機能も実装されており、実用的なWeb自動化シナリオに対応することができる。
MCPの理解をさらに深めるには、実際に手を動かすのが重要だ。以下では実際にCursorとPlaywright MCPを使ったWebテストAIエージェントとWebクロールAIエージェントを実装してみたい。 【次ページ】CursorとMCPで実装する超簡単WebテストAIエージェント
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