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- 2025/08/28 掲載
売れなくても全然OK…? OpenAIが「謎のAIデバイス」に爆裂投資する本当の理由
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けており、金融・マクロ経済・エネルギー・企業分析などの記事執筆と翻訳が得意分野。国際政治をはじめ、子育て・教育・司法・犯罪など社会の分析も幅広く提供する。「時代の流れを一歩先取りする分析」を心掛ける。
2026年発売、初日で「100万個の出荷」へ
「OpenAIが、65億ドル(約1兆円)の巨費を投じ、設立されたばかりのAIデイバス・スタートアップのioを買収した」世界のテクノロジー業界は、5月21日に発表された衝撃のニュースにざわついた。なぜなら、買収先のioの共同創業者の1人が、世界を変えたデザイナーのアイブ氏だからだ。スティーブ・ジョブズ氏の右腕として、行き詰っていたアップルでiMac、iPhone、iPodなどを世に送り出した人物である。
業界では「アルトマン氏とアイブ氏が組めば、何かとんでもないデバイスを出してくる」などと、期待が高まっている。
アルトマン氏とアイブ氏は、構想しているデバイスを「ユーザーの『スクリーン疲れ』に対するソリューション」と位置付けており、2026年(予定)の発売当日に100万個を出荷することを目標にしている。
アルトマン氏は、「(スマホを含む)現行のコンピュータやソフトウェア・ハードウェアはAIがまだ存在しなかった時代に設計されたものだ。だが、AIで世界は変わった。AIが1日中ユーザーのお供をして助けてくれたり、記憶の代わりにリマインドをしてくれるからだ。ところが、今のコンピュータはそうした用途に向いていないのだ」と、デバイス開発の背景を語った。
また、「AIの未来を左右する壮大なプロジェクト」(Bloomberg)であり、ソフトバンクグループの出資を得てその基礎となるデータセンター建設が進むスターゲート計画と密接に関連している。
アルトマン氏はスターゲート計画について、「投資額の5,000億ドル(約74兆円)分の価値を生み出す自信はある」と言明しており、デバイスが同社の大規模言語モデル(LLM)であるChatGPTのさらなる普及への起爆剤としての役割が期待されていることを示唆した。 【次ページ】AIデバイスの未知なる「姿と機能」
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