- 2025/10/08 掲載
じゃらんも楽天トラベルももうオワコン? グーグルが仕掛ける「AI旅行革命」(3/3)
AI旅行検索の意外な課題とは?
実際にAI旅行ツールはどう使われているのか。旅行保険を手掛けるGlobal Rescueの調査で、旅行AI検索で先を行く米国の現状が浮き彫りとなった。同調査では、旅行検索でAIを利用したことがある人の割合は、全体で24%だったものの、35歳以下では40%と非常に高いことが判明。55歳以上の20%と比較すると、2倍の差があることも明らかになった。
用途として最も多いのは旅程計画で75%。これに目的地リサーチ(71%)、レストラン推薦(37%)、翻訳(25%)、宿泊施設探し(35歳未満では40%)が続いた。
グーグルのFlight Dealsが示すように、自然言語理解の向上により、出張での活用にも期待が高まる。たとえば、「来月博多で3日間の会議、空港近くのホテルで朝食付き」といった具体的な条件を入力すれば、AIが直行便や短時間の乗り継ぎ、適切な宿泊施設を組み合わせた最適プランを提示することも不可能ではなくなりつつある。
ただし、利用時の注意点もある。AIへの信頼度は依然として低く、「ほぼ常に信頼できる」と答えた旅行者はわずか7%にとどまる。46%が「ほとんどの場合信頼できる」、40%が「時々信頼できる」程度と回答している。
価格変動への理解も重要だ。航空運賃は需要、競争、燃料費、季節要因などで大きく変動する。ある日5万円だった運賃が翌日4万円になり、数日後には8万円に跳ね上がることも珍しくない。AIに任せきりではなく、時折ユーザー自身で航空運賃を調べ、AI回答との整合性を比較することが望ましい。
予約タイミングにおける情報もAI利用の前提として知っておきたいところだ。グーグルの分析では、米国内線は出発38日前、国際線は101日前が平均的に最安値となる傾向が明らかになった。ただし、これはあくまで目安で、保証ではないことには留意する必要がある。
AI旅行検索の普及に伴い、ホテル業界では「AIサーチ最適化」が新たな課題として浮上している。Lighthouseのレポートによれば、ChatGPTなどのAIツールがホテル予約でも影響力を増しており、ホテル側は自然な会話調でFAQを作成したり、構造化データを追加したりする対策が必要になっているという。
ホテルや航空会社による、このようなAI対策が進めば、AI旅行検索の精度はさらに高まることが予想される。また、AIの繋ぎこみ技術(MCPなど)が今後さらに普及することが見込まれており、検索から予約まで一気通貫した体験が実現する可能性も高まっている。
タブを何十個も開く時代は、間もなく終わるかもしれない。まずは、VPN(米国、カナダ、インド設定)を使えば日本からでも利用できるグーグルのFlight Deals、また日本でもサービスが開始されたスカイスキャナーのスマートサーチを使って、AI検索の可能性を模索してみてはどうだろうか。
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