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  • 2025/10/10 掲載

関東でも無双?九州発・激安チェーン「トライアル」「コスモス」が大躍進しているワケ

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関東圏の食品スーパー業界に、いま新たな“黒船”が迫っている。九州を拠点とする小売大手・トライアルホールディングス(HD)は2025年7月、西友の子会社化を完了。これにより、首都圏での本格的な攻勢に打って出る構えだ。一方、同じく福岡に本社を置くコスモス薬品も、ドラッグストア事業「コスモス」を東日本で着実に拡大している。東京の都心ではまだ馴染みが薄い両社だが、九州を代表する2社はなぜ急成長を遂げることができたのか──その強さの源泉を探る。
執筆:山口 伸

山口 伸

経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。

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九州の雄、トライアルとコスモスの今後の行方は?
(写真:アフロ、pimpampix / Shutterstock.com)

トライアルHD、「IT企業」から「小売業」へ転換

 トライアルHDは1974年にリサイクルショップの「あさひ屋」として創業した。80年代には社名をトライアルカンパニーに変更。この頃には家電量販店を運営するほか、IT企業として小売業向けのPOSシステムの開発を手がけるようになる。92年にディスカウントストア「トライアル」をオープンし、これが現在の主力事業となった。

 POSシステムを開発するには実店舗で得たノウハウを活用しなければならない。一方で、開発に成功したとしても、導入には店舗の構造を変える必要があるため、自前のルールを持つ大手チェーンは他社のシステムを導入したがらない。そうした背景から実験店を本業に変え、小売業に生まれ変わったと言われている。

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【画像付き全文はこちら】トライアルの業態別店舗数
(筆者作成)

 TRIALとして展開している業態は上記の4種類だ。TRIAL GOは食品が中心で、イオンが首都圏で展開する「まいばすけっと」に近い。smartは一般的な食品スーパーの広さだ。主力がスーパーセンターなどの大型店で、総合スーパー(GMS)業態と言える。食品のほか、衣類やキャリーバッグ、家電やキャンプ用品なども扱う。500円以下の弁当を売るなど、安さが特徴的だ。また、600gのひき肉や大盛りの唐揚げなどファミリーサイズの品も多い。

 それでは、同社はなぜ低価格で商品を提供できているのか。 【次ページ】トライアルHDが安さを実現できる秘訣
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