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- 2026/01/24 掲載
エヌビディアの首を狙うのはテスラか?イーロン・マスクが目指す「フィジカルAIによる世界制覇」
ロボタクシーから人型ロボットまで、AIチップ「AI5」でフィジカル世界を制御
テスラが進める次世代AIチップ「AI5」とは?
テスラが開発するAIチップ「AI5」は、Teslaの自動運転「FSD」やヒューマノイドロボット「Optimus」のAI処理基盤として位置づけられる次世代プロセッサである。CEOイーロン・マスクはXで「AI5の設計はほぼ完了した」と投稿し、同時に次世代チップ「AI6」の開発も初期段階に入っていると明かした。これらのチップはテスラが自動運転やロボティクス、将来的には大規模AI訓練基盤にも使用するビジョンを反映している。テスラはAI5の設計が安定したことで、一度中断していたスーパーコンピュータプロジェクト「Dojo3」を再開する決定を下した。これはテスラがAI処理の内製化を本格化させる象徴的な動きである。
テスラの「AI5」は、自動運転のための車載AI推論の高効率化を狙った設計であり、テスラは単独のチップで高いAI処理能力を発揮し、複数チップの連携でより大規模処理に対応するとしている。
テスラはAI5の製造をTSMCに委託し、AI6はSamsung Electronicsとの大規模契約の下で製造される計画が示されている。これにより、車載からデータセンター向けまで幅広い用途を見据えたチップ供給体制の構築を進めている。
テスラのAIチップ開発は単なる部品開発ではなく、同社のAI戦略全体を支える重要な位置付けだ。これまでテスラはNVIDIA製GPUを活用しつつ自社チップ開発を進めてきたが、AI5の完成はその転換点となる可能性を秘める。
テスラ「AI5」はNVIDIAやGoogleと比べ何がすごいのか?
テスラの「AI5」が注目される最大の理由は、AI演算に特化しつつテスラのプロダクトに最適化された設計にある。テスラによるとAI5はNVIDIAのAI GPUに匹敵する性能を発揮し、デュアル構成では次世代のBlackwellクラスの性能にも到達しうるとされる。この性能はイーロン・マスク氏のXのポストで明らかになった。だがその真価は消費電力とコスト効率にあるとされ、テスラは推論に不要なグラフィックス機能を排除することで150W程度の低消費電力で高いAI処理を可能とする狙いだ。
「AI5」はまた、AI処理の「ドル/性能比」や「ワット/性能比」で既存の汎用GPUに対して優位に立つ可能性がある。特に推論処理に焦点を当てた設計は、FSD(Full Self-Driving)や車載AIの実運用においてコスト効率を高める。
こうした点はGoogleのTPUや他社のAIアクセラレータとは異なる方向性であり、特定用途に特化した「タスク特化型AIチップ」という側面を強調する。
とはいえ、NVIDIAはAIインフラ市場で「CUDAエコシステム」を支えるプログラミングモデルの強みを持ち、テスラのチップが同等の開発環境やエコシステムを獲得する必要がある点は依然として課題となる。
【次ページ】人型ロボットにも搭載「AI5」はフィジカル世界をどう変えるのか?
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