• 2026/01/28 掲載

OpenAI、無料の科学論文執筆AIツール「Prism」を公開 GPTモデル統合の共同執筆環境

研究者が構造化された論文の作成、推敲、共同作業をフォロー。安易な生成による「論文の質の低下問題」に対応も。

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OpenAIは2026年1月27日(現地時間)、生成AIを活用した科学論文執筆環境「Prism」を無料公開した。LaTeX対応の執筆ツールに最新モデル「GPT-5.2」を統合し、研究者が構造化された論文の作成、推敲、共同作業を一つのプラットフォームで行えるようにした。編集や文献管理などの支援機能も備える
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(画像:ビジネス+IT)
OpenAIは科学者・研究者向けのAI支援型論文執筆ツール「Prism」を公開した。本ツールはブラウザ上で動作する無料のワークスペースで、個人ユーザーは制限なく利用可能とされる。執筆環境には学術論文で広く用いられるLaTeXシステムが統合され、数式や文献情報の扱いを含む論文の下書き、改訂、校正、そして共同執筆までを一つの環境で完結できることが特徴だ。

AI機能としては、論文の構造把握や執筆支援、手書き数式からLaTeXコードへの変換などが含まれる。標準のAIモデルにはOpenAIの最新フラグシップモデル「GPT-5.2」を用いており、これまでChatGPTの無料版では利用が制限されていた高度な言語生成機能をPrism内で活用できるようにしている。

Prismはプロジェクト数や共同執筆者数に制限がなく、基本的にはChatGPTの個人アカウントで利用できるように設計されている。また、近い将来ChatGPTの法人向け各プラン(Business、Team、Enterprise、Education)でも利用できるよう拡大予定であると報じられている。こうした共同執筆の自由度は研究者同士の協働を促す狙いがある。

OpenAIはPrismは人間研究者が主体となって論文を作成しながら、AIが執筆・構成・編集の支援を行うツールとして位置付けている。

一方でこのようなAIを活用した執筆支援は、研究者の負担軽減に寄与するが、生成AIが生み出す論文の量的増加による学術文化への影響が指摘されている。

特に近年、AIによって大量に生成されたサーベイ論文(文献レビュー論文)が学術コミュニティに急増していることが問題視されている。

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生成AIが引き起こす学術論文の問題点(図版:ビジネス+IT)

上海交通大学の研究チームはこの現象を、インターネット上の分散型サービス拒否攻撃になぞらえて「サーベイ論文DDoS攻撃」と表現し、学術研究の健全性に対する深刻な脅威として警鐘を鳴らしている。

Prismのようなツールは研究者の執筆効率を高める利点がある一方で、生成AIが簡易にサーベイ論文を量産可能にした結果として、学術コミュニティ全体の情報の質や信頼性が問われる局面にある。AI活用の恩恵を享受しつつ、質の担保や研究文化の健全性を維持するための規範や制度設計が今後の重要な課題となる。

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