- 2026/04/07 掲載
「順調です」と報告しながら内部は崩壊…プロジェクト失敗の“お決まりパターン”解説(2/3)
「デスマーチ」と揶揄される失敗プロジェクトの典型
2.止まらない機関車(状況が悪化しても止められない)いったん承認されたプロジェクトは、ブレーキのついていない機関車に変身します。誰もが「このままではまずい」と感じても、プロジェクトを止めることができなくなります。
新しい情報システムを作る例で考えてみましょう。
プロジェクトを進めていくと、まずはモノの観点で問題が次々と発生します。計画内容が粗いので、潜在的な問題が表に出てきたときに、すべてが「計画外の問題」になってしまいます。
モノの問題を解決するには、カネが必要です。システムの機能が足りないなら追加契約が必要です。しかし、予算制約があるので追加契約は容易ではありません。モノとカネのどちらを優先するのか、難しい判断が求められます。
そして、モノとカネの問題は、ヒトの問題を引き起こします。システムの機能不足を訴える現場担当者と、プロジェクトを何とか前に進めたいプロジェクト担当者の間で意見が対立することが多くなり、人間関係が悪化します。
こうして、ヒト・モノ・カネの問題がすべてつながり、もつれた糸がさらに絡まるというように悪循環が積み重なってしまいます。局所的な問題であれば対策を行いやすいのですが、多くの組織や関係者を跨るかたちでヒト・モノ・カネの問題が複雑に重なると、問題解決の糸口さえ見えない困難な状況になってしまいます。デスマーチと揶揄される失敗プロジェクトの典型的な状況です。
状況のまずさをまるで把握せず…気づけば火の車
3.知らぬが仏(楽観的な態度が手遅れを招く)こうしてプロジェクトの内部は崩壊していきますが、意外なことに外部へはプロジェクトの問題がほとんど伝わりません。プロジェクト内部では多数の細かな問題が積み重なっていますが、問題構造が複雑すぎて、その状況のまずさを理解すること自体が難しいためです。
内部事情に詳しくない第三者が問題の深刻さを理解するには、相当の時間がかかります。プロジェクトの中止を判断すべきプロジェクトオーナーや経営幹部にとっても同じです。本質的な問題が十分に伝達されず、プロジェクトの改善や中止を決断すべき時が遅れていきます。
身近な例として、衝動買いで高級車を買ってしまった状況を考えてみてください。この価格ならなんとかなるだろうと購入したところ、燃費が悪く、保険料も高く、さらには故障時の部品も高いため、維持コストが想定以上に発生してしまったという状況です。また、想定していたほどの効果が得られないこともわかってきます。毎週末にドライブを楽しむ予定でしたが、渋滞がひどいため、運転頻度が下がってしまいました。
ここで、状況のまずさがしっかりと把握できていれば、費用対効果の低い高級車を手放す判断ができるはずです。しかし、ガソリン代や保険料といった周辺経費の発生状況を家計の中で把握できていなければ、問題に気づいて対処する時期が遅れていきます。
「知らぬが仏」という言葉は、皮肉の意味で使いました。真実を知らなければ一時的な心の平和が保たれるのかもしれません。しかし、真実を知らないことで家計は火の車になり、実態はどんどん悪化していきます。 【次ページ】これから始めるプロジェクトも、同じ“失敗構造”になるかも…
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