- 2026/06/05 掲載
OpenAIやAnthropic等AI企業トップ、AIによる生物兵器の脅威の法整備を米議会に要請
OpenAIやAnthropicなどAI企業のトップが連名で安全対策を求める
署名者には、OpenAIのサム・アルトマンCEO、Anthropicのダリオ・アモデイCEO、Google DeepMindのデミス・ハサビスCEO、Microsoft AIのムスタファ・スレイマンCEO、MetaのAI部門責任者であるアレクサンダー・ワン氏が名を連ねている。AI市場で激しい覇権争いを展開する競合各社のトップが、共通の安全保障上の懸念のもとに一致して行動を起こした。加えて、2024年のノーベル化学賞受賞者であるデヴィッド・ベイカー氏や合成生物学の先駆者ドリュー・エンディ氏、遺伝子合成大手Twist BioscienceのCEOなど、科学界や産業界の専門家、国家安全保障の元高官らも同調している。
書簡が求めているのは、合成核酸を製造・販売する企業に対し、顧客の身元確認や発注内容のスクリーニング、および記録の保持を法的に義務付けることだ。AIモデルのオープンソース化や性能向上により、悪意を持つ者が容易に危険な病原体の遺伝子配列情報を入手し、物理的な製造段階へ移行する懸念が高まっている。現在は一部の企業が自主的なスクリーニングを実施しているが、法的強制力を持たせることで業界全体に統一された安全基準を適用し、悪用を水際で防ぐ狙いがある。
シンクタンクなどの分析では、スクリーニングの義務化は費用対効果が高く、導入コストを上回る安全保障上の利益をもたらす。すでに無料のオープンソースツールが提供されており、企業側の負担は限定的だ。
AIの安全対策を巡っては、開発企業側でモデルの出力制限などの自主規制を進めているが、兵器転用リスクを完全に排除するのは難しい。今回の要請はAI技術の規制そのものではなく、AIによって出力された危険な情報を現実の物理的脅威に変換する製造工程での法的規制を求めるアプローチをとっている。
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