- 2026/06/25 掲載
116万人突破チョコザップ・退会率2%のカーブス…なぜ「運動しない日本人」動かせた?(2/3)
連載:ヒットの現在地
【チョコザップ】「もはや何屋か分からない」裏に緻密な戦略
2022年7月の事業開始から、わずか1年で会員数日本一(80万人)を達成。約3年後には黒字化し、現在は国内に1943店舗、会員は116.1万人(2026年5月時点)に増えた。会員層は男女比がほぼ同等で20~50代が中心、ジム通いが初めての人にも選ばれているという。無人で24時間営業(一部店舗を除く)、入会手続きはスマホで完結、月額3,278円で使い放題(一部サービスは予約制)、着替え不要と通うハードルを極力下げたビジネスモデルが特徴だ。駅近やショッピングモール内など立地も良く、“スキマ時間”に立ち寄りやすい。
フィットネスジムながら、セルフのネイル・脱毛・ホワイトニング、マッサージチェア、カラオケ、ワークスペース、ゴルフ練習場、ランドリーなど、もはや何屋なのか分からないほど付加価値を積み上げているのもチョコザップならでは。
「実験的にサービスを増やしてきましたが、いずれも需要はあります。人気ナンバー1は『マッサージチェア』で常に埋まっているほど。カラオケも予約困難な状態で、ランドリーも利用頻度が高いですね。平均滞在時間は20~30分と短く、平均来店頻度は週1回ほどです」(ライザップ 執行役員 chocoZAP事業責任者 村橋和樹氏)
爆速での出店、サービス拡大の裏では、型破りのマーケティング戦略も行われていた。本格開業前の覆面店舗によるA/Bテストに加え、数百に及ぶチラシやランディングページ(LP)、1万件近いバナー広告も制作。反応が良いものを「勝ちパターン」として、常にブラッシュアップしてきた。
思い立ったときに来店できる立地、着替え不要の気軽さ、運動以外の付加価値。そして、戦略的な広告投資により、ジム未経験者や過去にジム通いに挫折した人々を入会へ導いてきたわけだ。とはいえ、無人での運営が容易だったわけではない。
故障・盗難・ルール違反…爆速成長の“代償”はどう解決
店舗が急激に増えてからは、SNS上での「不満」も目立っていた。「機械が壊れていて使えない」「鍵のないロッカーで置き引きに遭った」「女性専用ルームから男性が出てきた」などなど。こうした無人ならではの問題に対して、同社では1つひとつ検証を重ねている。たとえば、マシンの故障対応は顧客との「共創モデル」を採用。マシンの故障を正しく検知することに苦労してきたが、現在は会員が故障を発見したら本部に報告、軽微ならフレンドリー会員やセルフメンテナンス会員に対応を依頼する流れとしている。マシンの故障率は2026年5月時点で2.46%。一時期は2%を切っていたが、乾燥機の在庫欠品の長期化が影響しているそうだ。
「異音がするマシンに油をさすなどの軽微な対応は全体の約4割で、インセンティブと引き換えに会員の方に協力いただいています。ランドリー設備は故障が多発しており、需要は高いのですが、機械そのものの品質改善を検討しています」(ライザップ 村橋氏)
盗難防止においては、1店舗あたり約10台のAIカメラを配置するほか、貴重品を持ち運べる「カゴ」を導入した。そして、現在の最優先として対策を急いでいるのが「女性向けの安全強化」だ。今年5月には、「女性専用ルームから男性が出てきた」というSNS投稿が注目され、懸念が広がっている。現状、システム上は性別にかかわらず予約操作や入室が可能な状態だという。
「悪質だと判断した場合は該当人物を強制退会させるほか、違約金を課すなどの罰則も検討しています。そのほか、『女性専用』をより明確に表示するなどカン違いが起こらないよう改善を進めています」(ライザップ 村橋氏) 【次ページ】大反響「女性専用店舗」で狙う、次の“ジム未経験者”
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