• 2026/06/29 掲載

米GoogleがMetaへの「Gemini」提供を制限、計算資源の争奪戦激化

AIモデルで進行する深刻な計算資源の不足と物理的インフラの限界

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米グーグルが、メタに対して自社の人工知能モデル「Gemini」の提供を制限したことが判明した。メタがグーグルのインフラ能力を上回る計算資源を求めたことが原因である。この事態は、AIモデル企業全体で進行する深刻な計算資源の不足と物理的インフラ構築の限界を浮き彫りにした。これを受け、メタは独自のAIモデルへの移行や自社インフラ構築を加速させている。
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(図版:ビジネス+IT)
 グーグルがメタへのAIモデル「Gemini」の利用を制限していることが明らかになった。グーグルは今年3月頃、メタが購入を希望したGeminiの計算能力について、全量を提供することは不可能であると伝達した。その理由は、メタがグーグルの提供可能な水準を大きく上回る計算資源を要求したためである。メタは、オンライン詐欺の検知や有害コンテンツのモデレーション、社内コーディング支援、カスタマーサービスなどの重要な業務プロセスにGeminiを深く組み込んでいた。

 グーグルは他の顧客に対しても同様の制限を設けているが、需要規模が極めて大きいメタが最も深刻な影響を受ける形となった。 この制限措置により、メタの社内で進行していた複数のAIプロジェクトにおいて遅れや混乱が生じた。状況への対応として、メタは自社従業員に対し、AIモデルの使用単位である「トークン」の消費量を節約し、より効率的に運用するよう指示を通達した。同時に、外部のAIプロバイダーへの依存がもたらすリスクが顕在化したことを受け、メタは根本的な戦略転換を図っている。

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【図版付き記事はこちら】GoogleがMetaにGeminiトークン利用制限か、AIモデル企業間の計算資源の争奪戦激化(図版:ビジネス+IT)

 有害コンテンツの削除や詐欺検知といった中核的なワークロードを、Geminiから自社開発のAIモデルである「Muse Spark」へと急ピッチで移行させている。さらに、AIモデルの内製化とインフラの自給自足を進めるため、メタは大幅な組織再編を実施するとともに、2026年の設備投資見通しを最大1,350億ドルまで引き上げ、自前のインフラ構築を推進している。 今回の事態の背景には、AI産業全体が直面している物理的なインフラの限界が存在する。

 世界的な需要に対して専用GPUの供給が追いついておらず、深刻な不足が起きている。加えて、データセンターの建設には長期間を要し、高度な冷却システムの構築や膨大な電力を供給するエネルギー網の確保が物理的な制約となっている。グーグル自身も短期的な計算資源の不足を認めており、不足分を補うためにスペースXと月額約9億2000万ドルに上るインフラのリース契約を結んだ。AIモデルの実業務への導入が進み推論コンピューティングへの需要が急増する中、物理的インフラの確保がAI業界における最大のボトルネックとなっている実態が示された

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