- 2026/07/09 掲載
英国スタートアップ、宇宙でアルツハイマー研究へ…小型実験室を打ち上げ
研究の主な対象は特定の3次元構造を持たず常に形状を変化させる天然変性タンパク質である。このタンパク質はアルツハイマー病、パーキンソン病、特定のがんなどの加齢関連疾患に深く関与している。地上の重力環境下では対流や沈降などの流体力学的ノイズが発生するため、従来の技術ではこのタンパク質の構造や動態を正確に分析することが困難だった。
マス・バランスはこの環境下で収集したノイズのない構造データを、同社独自の生体構造予測AI「SpaceFold AI」の訓練に活用する。柔軟に変化するタンパク質の挙動予測精度を高めることで新薬候補のシミュレーションを効率化していく。構築した高精度AIモデルやデータへのアクセス権を製薬企業にライセンス提供するビジネスモデルを構想しているという。
今回のミッションでは搭載された産業用バイオ触媒を用いて特定の化合物を分解し、光学センサーで化学反応を監視することで、軌道上での自動化システムの有効性を検証する。同社は実験サンプルの地球への持ち帰りを予定していない。データ通信のみで実験を完結させる設計を採用し、大気圏再突入に伴う技術的ハードルや法規制の調整を回避している。
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