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- 2026/07/16 07:10 掲載
明暗を分ける…苦戦の東急・小田急・西武ら百貨店と「勝ち組百貨店」の意外な差
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
なぜ一等地でもダメ?百貨店市場を縮小させた“2つの要因”
百貨店は三越・伊勢丹・高島屋・そごうなど、呉服屋を祖業とする「呉服屋系百貨店」と、鉄道会社が鉄道の利用客を想定客に設立した「電鉄系百貨店」に分類される。周知の通り、いずれも百貨店縮小時代に各地の店舗を閉店してきた。百貨店市場の規模は1991年の9.7兆円をピークとして減少に転じ、近年ではコロナ禍での縮小を除くと、6兆円弱の水準を推移している。百貨店の衰退は「総合スーパー(GMS)・郊外型モールの台頭」と「アパレルの低価格化」が主な要因であると考えられる。かつての百貨店と言えば、屋上にテーマパークや催し物会場が設けられたように、週末のレジャーの場であった。しかし、1990年代にダイエーなどのGMSがさらに勢力を伸ばし、2000年代からイオンなどの郊外型モールが台頭すると、価格競争力や専門店の多様性で劣る百貨店から客足が離れた。
アパレルの低価格化に関しては、ユニクロやしまむら、洋服の青山などの専門店が郊外で店舗数を拡大。これらの業界は衣服の価格破壊を引き起こし、比較的高価な百貨店の服は売れづらくなった。「カテゴリーキラー」と称される専門店は価格・品ぞろえで優位性を発揮し、百貨店だけでなくGMSの衰退をもたらした。特に地方において、郊外型モールとカテゴリーキラーは消費地の郊外化につながり、百貨店はおろか駅前中心地の衰退要因となる。
関東の「電鉄系」が百貨店を手放す理由
呉服屋系と電鉄系の双方が苦戦している状況だが、関東では電鉄系百貨店による旗艦店の閉店が相次ぎ、両者の明暗が分かれた。冒頭の通り東急百貨店は2020年に駅直結の東横店を閉店し、2023年に本店を閉店した。いずれも再開発によるもので、百貨店は再出店しないと公表している。小田急百貨店の新宿店本館も再開発により2022年に閉店した。隣接する新宿西口ハルクは営業中だが、2~6階をビックカメラが占める。各社が百貨店事業を縮小するのは、単にもうからなくなったためだ。東横店を閉店する前の、東急の2020年3月期の決算資料によると、営業利益率は不動産業が13.8%であるのに対し、百貨店などの生活サービス事業はわずか1.9%だ。小田急電鉄も同様に、新宿店本館を閉店する前の2022年3月期の営業利益は、不動産業が22.9%であるのに対し、流通業が1.7%である。
不動産業の方がもうかる以上、再開発ビルに百貨店を再出店しないのは当然の判断だろう。セブン&アイHDに至っては、フォートレスに売却する前の百貨店・専門店事業の営業利益が1%を下回っていた。 【次ページ】衰退市場でも売上増?“ある百貨店”が好調を維持できるワケ
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