- 2026/07/29 06:10 掲載
Claudeと「最強タッグ」の低価格LLMは?「高品質&低コスト」併用法を60回のガチ検証(3/3)
【最新版】最強の「高価格×低価格LLM」組み合わせはこれだ
23構成のうち、バイブコーディングで特に有意な結果を得られた8つの構成を表2に示す。Fable 5単独(構成1)とOpus 5単独(構成2)はともにほぼ満点だが、コストはFable 5が1.76倍高い。この規模の課題ではFable 5は無駄に賢くて割高になる。
最安のGemini 3.5 Flash-Liteは単独では得点82.7で、3回とも要求した機能を満たすことができなかった。動作は約20秒と速く、費用も0.06ドルと安いが、テストや文書更新まで含めた仕事をやり切れずに終わってしまう。
Gemini 3.5 Flash-Liteの計画役にClaude Sonnet 5を付けた構成も完遂に届かなかった。つまり計画役にはミドルクラスのLLMでは能力が足りない。
Opus 5が計画を書き、Flash-Liteが実装した構成5ではハイローミックスの効果が出た。得点は89.0で、Opus 5単独(構成2)の88.8とほぼ並ぶ。成功1回あたりの費用は0.63ドルで、Opus単独の1.02ドルを下回った。
GPT-5.6系の混成も3回ずつ測った。SolからFlash-Liteへ委任した構成7は得点89.5・完遂2/3・成功1回あたり0.49ドルで、構成5と同じ傾向を示した。SolからLunaへ委任した構成8は3回完遂で得点89.6・同0.38ドルと最も安い。ただし、処理にかかる時間は中央値で199秒と長めになった。
計画役をFable 5に替えた構成6は、得点が89.3のまま費用だけが1.64ドルへ増えた。この規模の課題では、計画役はOpusで足りたことになる。
構成5は3回とも完遂しており、最安の構成でも確実性は落ちなかった。同じClaude系でも実装役をSonnet 5にした構成4は1.11ドルかかり、単独運用より高くつく。今回の課題は小さいが、それでも費用は4割近く下がっており、実装の比重が大きいタスクほど差は開きやすいと考えられる。
エージェントワークは「低価格モデルで十分」?
エージェントワークでは傾向が異なる結果となった。今回の測定では全18構成が85点で完遂し、品質の差を観測できなかった。目立った構成を表3に示す。費用だけが差になり、最安のGPT-5.6 Luna単独の0.11ドルからFable 5単独の1.38ドルまで12倍を超える開きが出た。中でもGemini 3.5 Flash-Lite単独は37秒で作業を終え、速度では最速で、費用はLunaと誤差で2位となった。
今回のように資料と出力形式、判定基準が明確な抽出課題なら、低価格モデル単独でも十分ということだ。またGemini 3.5 Flash-Liteは、従来の低価格モデルの「安かろう悪かろう」の概念を覆すハイコストパフォーマンスモデルであるようだ。
ただし今回の課題は、資料も判定基準もあらかじめ定まった定型業務だった。複数部門の利害調整や方針の解釈が絡む複雑な案件では、計画の段階に高性能モデルを使う必要があるだろう。
2つの結果は同じ原理で説明できる。少なくとも今回の課題では、分かれ目は仕事の難易度ではなかった。設計や仕様の解釈のようにやり直しが利かず判断に依存する仕事は高性能モデルに向き、実装や抽出のようにやり直しが利いて機械的に検証できる仕事は低価格モデルで足りる。コーディングで計画だけを高性能モデルに残した構成が成立したことも、検証可能なエージェントワークで高性能モデルが不要だったことも、どちらもこの原理から導ける。
Claudeと組み合わせるなら「あのモデル」がオススメ
ハイローミックスを試す最も手軽な入口は、前述の「/model opusplan」だ。ただし、現在のSonnet 5の性能が過去のOpus 4.6を超えるほど賢いことに加え、Sonnetがそれほど安くないため、実際に得られるコスパ効果は限定的だ。Claude系の軽量モデルにはHaiku 4.5があるが、既に古くなっていて、GPT-5.6 LunaやGemini 3.5 Flash-Liteに比べるとトークン効率が低く、作業のやり直しが生じるとコスト面の優位も薄れる。
自分でハイローミックスをするなら、今はClaude+Geminiがオススメだ。サブで使うGemini 3.5 Flash-Liteは月額2900円のGoogle AI Proで十分だ。これにClaudeのMaxプランの安いほう(月額100ドル)を組みあわせる。
Claudeが立てた計画をGemini CLIに渡して実行させる仕組みは簡単に自作できる。Claude Codeに「実装をGemini CLIに渡すスキル(もしくはサブエージェント)を作って」と日本語で頼めば、Claudeが定義ファイルを書いてくれる。これはCodexなどほかのAIハーネスでも同じだ。
今回のベンチマークテストは小規模で結果は参考値だが、筆者の日頃の実感を裏付けたとは言える。ハイローミックスは実は簡単に導入できるので、色々試して自分に合った使い方を見つけてほしい。
今回のテストはOpus 4.8で行い、入稿直後にOpus 5が出たために追加計測した。単独運用ではOpus 5の88.8点で1.02ドルより、Opus 4.8の90点で0.75ドルでコスト的には優秀だった。これはOpus 5が書くコードがOpus 4.8より長いためだ。しかし、計画役としてはOpus 4.8が3回中2回の成功だったのに対し、Opus 5は3回とも成功。ハイローミックスにはOpus 5の方が向いていた。
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