- 2026/07/29 06:10 掲載
Claudeと「最強タッグ」の低価格LLMは?「高品質&低コスト」併用法を60回のガチ検証(2/3)
「低コスト高品質」を叶えるLLM活用手法
ハイローミックスの発想は、人間の組織の分業と変わらない。建築では建築士が図面を描き、施工は工務店が受け持つ。ソフトウェア開発でも設計者が仕様を決め、プログラマーが実装する。LLMでも同じように分業が組める。高性能モデルが計画と手順書を書き、低価格モデルがその手順書どおりに作業を進めるのだ。この分業で費用が下がるのは、作業分野によってトークン消費量に偏りがあるからだ。AIエージェントの仕事は、コードを書く、ファイルを読む、動かして試すというあまり頭を使わない実作業がトークン消費の大半を占めている。複雑で難しい設計や計画は、全体における作業量は小さい。
難しい計画段階だけ高価な高性能モデルを使って、作業量が多い実作業を単価が安いモデルで行えば全体の費用は大きく下がる。API従量課金なら費用の削減に直結するし、サブスクリプションでも高性能モデルの利用枠を温存できる。
主要モデルのAPI価格を表1に示す。GPT-5.6がSol・Terra・Lunaという3階層で提供されるように、各社とも性能と価格の段階を広くそろえており、最上位と最安の間にはかなり差がある。しかも、下位モデルの実務能力は世代ごとに上がっており、十分に実用的になってきた。これを活用すべきだろう。
筆者はこのLLMハイローミックスを1年以上実践している。最初はopusplanをよく使った。Claude Codeには「/model opusplan」という設定があって、通常はSonnetを使い、計画モードだけOpusを使うようにできる。
Claude Codeは、サブエージェントでもモデルを指定できる。アイデアから設計書と実装計画を作成するサブエージェント「plan-architect」はOpus、テスト駆動開発で実装する「tdd-developer」にはSonnetを指定して作成し、さらにSonnetから格安で高速なGemini Flash-Lite系に実装を委任して、GPTが結果をレビューする、というシステムにしている。
この構成は、作業品質とコストのバランスが取れていると思っているが、定量的な証拠はない。
そこで今回、ハイローミックスの効果を確かめるために、バイブコーディングとエージェントワークの2つの状況で単体利用とハイローミックス利用を試して、本当に効果があるのか計測してみた。
【ガチ検証】会計アプリ「機能追加」の結果とは…
バイブコーディングのテストの課題は、PythonのFastAPIとSQLiteで作成した小さな会計アプリに「経費CSVの一括取り込み」機能を追加するというものだ。入力の検証、重複登録の防止、エラー時のロールバック、テストと説明文書の更新までを要求している。
エージェントワークのテスト課題では、架空のSaaS選定業務として提案書・議事録・価格表など8ファイルを読ませ、10項目の比較データと600~800字の選定メモを作らせた。
この2つの業務を、単独LLMの9構成と、計画役と実装役の2つのLLMで分業する混成14構成の、合計23構成をテストした。測定にはClaude Code、Codex、Gemini CLIという、ターミナル画面で使用するCLI型AIエージェントを使用した。最新のAntigravity CLIを使わなかったのは、テスト時点でGemini 3.5 Flash-Liteに対応していたのがGemini CLIだけだったからだ。
コーディングテストの採点は、非公開の受け入れテスト10本を軸にした90点満点の自動採点で、エージェントワークは解答キーとの照合で機械的に採点した。まず全18構成を各1回測って一覧を取り、差が付いた構成や比較の要になる構成を3回ずつ測って中央値を採った。実行は合計92回で、API利用の場合の費用は約63ドルだった。 【次ページ】【最新版】最強の「高価格×低価格LLM」組み合わせはこれだ
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