- 2026/08/12 07:10 掲載
Copilotより先? AI活用で超重要なMicrosoft Purview「秘密度ラベル」設定の4ステップ(2/2)
Copilot導入企業がハマる、「ラベルだけ整備」の落とし穴
さらに注意したいのが、「秘密度ラベルさえ整備すれば、Copilotの情報管理は終わる」という考え方だ。実際には、ラベルと同じくらい重要なものがある。アクセス権である。Microsoft 365 Copilotは、原則として、そのユーザーがアクセス権を持つコンテンツを基に回答を生成する。つまり、SharePointなどの権限設定が必要以上に広ければ、秘密度ラベルを整えても、「本来それほど多くの社員が見る必要のない資料へアクセスできる」という問題そのものは残る。
一方、秘密度ラベルには別の役割がある。暗号化などの保護を適用したり、データの重要度を示したりすることだ。またCopilotやエージェントでは、対応する場面でラベル付き情報の保護が引き継がれる。
さらに、対象はWordやExcelの文書だけではない。Microsoft Teams、Microsoft 365グループ、SharePointサイト、Loopワークスペースなどにも秘密度ラベルを利用できる。外部ユーザーを参加させられるか、管理対象外の端末からアクセスできるかといった設定にも関係する。
加えて、DLP(Data Loss Prevention:情報漏えい対策)を使えば、条件に合う機密情報についてMicrosoft 365 Copilotでの処理を制御することもできる。
CopilotよりPurviewが先? 企業が取るべき「正しい順番」
では結局、Microsoft 365 Copilotを導入する前に、Purviewを先に入れるべきなのだろうか。答えは、「Purviewを完成させてからでなければCopilotを使えない」ではない。ただし、Copilotを全社規模へ広げるのであれば、情報分類とアクセス権の確認を後回しにするのは避けたい。
ここで重要なのは、製品としての導入順序ではなく、「情報管理の順序」である。
まず、自社の重要情報がどこにあり、誰がアクセスできる状態なのかを確認する。次に、「一般」「社内」「機密」など、自社に必要な秘密度の分類体系を決める。その上で少人数にラベルを公開し、利用者が迷わず判断できるのかを確かめる。同時に、自動ラベルをシミュレーションして誤判定や分類漏れを洗い出す。そして設定を修正しながら、Copilotの利用対象を段階的に広げていく。
「情報とアクセス権の棚卸し」→「分類体系の設計」→「少人数での検証と自動ラベルのシミュレーション」→「Copilotの段階展開」という4ステップだ。
しかも、AI利用が広がれば、管理対象はCopilotだけでは済まなくなる。Microsoft PurviewのData Security Posture Management(DSPM)は、企業内の機密データを把握し、AIアプリやAIエージェントとの関係を含めてデータリスクを確認する方向へ機能を広げている。DSPMとは、重要なデータがどこに存在し、どのようなリスクにさらされているのかを継続的に把握し、保護につなげる考え方だ。
つまり、「CopilotよりPurviewが先か」という問いの答えは、Purviewという製品を先に完成させることではない。Copilotを本格展開する前に、「何が重要情報なのか」「誰がアクセスできるのか」「どう分類するのか」を決めることである。
AIが情報を探す力を高めれば、それまで埋もれていた情報管理の甘さも表面化しやすくなる。AIを賢く働かせる前に、人間が何を守るのかを決める。3,600端末企業も悩んだMicrosoft Purview「秘密度ラベル」の正解は、この順番にありそうだ。
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