- 2026/10/06 06:40 掲載
なぜ安全審査は長引く? 浜岡原発「10年以上」で見えた“米国との決定的な違い”
1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長。現在、イトモス研究所所長。著書に『週刊誌がなくなる日』など。
年2,400億円の負担…浜岡原発で見過ごせない「論点」とは
浜岡原発の再稼働が遠のいた──。今年9月14日に、静岡県御前崎市にある浜岡原発3・4号機の安全審査申請を取り下げる方針を発表していた中部電力が、同月25日に原子力規制委員会に申請取り下げを提出した。
4号機の申請は2014年2月、3号機は2015年6月。10年以上の審査を経ても、合計223.7万キロワットの発電能力を使えない。停止が長引く負担を、企業の不祥事という話だけで見ていくのはあまりに近視眼的だ。
今回、特別調査委員会が示した、浜岡全体の停止による中部電力の収支への影響は年約2,400億円。2025年度の燃料価格を前提とした数字だ。停止中も設備の維持には費用がかかり、電気は別の電源で補う必要がある。
中部電力は、地震の揺れを計算する手順について事実と違う説明をし、その説明に合う資料を後から作った。社内で問題を指摘する声も是正につなげなかった。資料の修正と、不正を見過ごさない組織への立て直しは、同社の責任であると言える。改革と再稼働の準備を並行して進めるべきだ。
ただ中部電力を断罪するのは簡単だが、それに加えて考えるべき問題もある。それは行政の動きだ。この点については、海外の実例と調査委員会の報告書にヒントがある。 【次ページ】日本と何が違う? 米国が原発審査で重視する“ある視点”
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