- 会員限定
- 2026/10/29 06:10 掲載
【現地取材】ライフが富山発スーパー「アルビス」を263億円で買う“5つの理由”
1969年静岡生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち同社創業。「組織は戦略に従う。戦略は思い(情熱)に従う」がコンサルティング信条。流通小売業界のコンサルティングのスペシャリスト。コンサルティングテーマは、「永続性を実現させるブランド戦略」。これまでに百貨店、GMS、チェーン専門店、TV通販会社、アパレルメーカー、広告代理店とお手伝いする領域は広く、ブランディング、ミッション経営、情熱経営の徹底・実践に取り組んでいる。2015年度 立教大学兼任講師、日本商業ラッピング協会理事 など
ムガマエ株式会社HP:https://www.mugamae.co.jp/
北陸の雄アルビス、なぜ「ライフ傘下」を選ぶ?
北陸の食品スーパー大手で上場企業のアルビスが日本有数の大手スーパーであるライフの子会社となることを決めたというニュースが業界をざわつかせました。ライフコーポレーションが発表したTOB(株式公開買い付け)が予定通り進めば、アルビスはライフの子会社となり上場も廃止されることになります。
北陸の食品スーパーではダントツの存在感を示しているアルビスが、なぜ独立経営の道を捨てることを決めたのでしょうか。そこには北陸の大手ドラッグストア「クスリのアオキ」との激しい消耗戦や、スーパー大戦国時代とも言われる食品スーパー業界の大激変で勝ち残るための一手を打つ必要があったという切実な背景も見えてきます。
ライフとアルビスが一緒になることで、お互いにどんなメリットがあるのでしょうか。それは今後のスーパー業界、またほかの業界にどんな影響をもたらすのでしょうか。
最大263億円の買収劇、裏にある「あの財閥企業」の思惑
今年9月某日、筆者のお客さまで石川県で小売業を営む経営者から連絡が入りました。「アルビスがライフの傘下になりそうです。地元ではかなり話題になっています」とのことでした。あのアルビスがライフと一緒になるということに少し驚きましたが、アルビスを取り巻く環境やライフの今後の事業戦略を考えると、これは当然の流れであると納得しました。
ライフは2026年9月から11月にかけて株式の買い付けを進め、最大で263億円を投じてアルビスの株式の83.38%を取得する予定です。残りの16.62%は筆頭株主である三菱商事が引き続き持つと言います。
実はライフの筆頭株主も三菱商事です。今回のTOBも三菱商事が「アルビスにライフ側の意向を伝えて、3社で検討が始まった」(関係者談)と言われています。したがって今回のTOBはこの3社が一緒になって動いている案件ということです。
これからの日本の流通小売業界では、規模が中途半端なところは、いずれどこかの傘下になるしか生き残る道はないのかもしれません。それほど日本の食品スーパー市場は大戦国時代を迎えています。下図の主要小売業のM&A実態(2020~2026)を見ると、特にドラッグストア各社の積極的なM&Aが目立ちますが、買収された側を見ると、さまざまな企業の欄に「スーパーマーケット企業」が入っていることが分かります。
では今回のライフによるアルビスへのTOBには一体どんな狙いがあるのでしょうか。アルビス現地に取材して見えたことも含めて、ここから詳しく解説していきます。 【次ページ】買収の狙い(1):売上「1兆円」達成への近道
流通・小売業界のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR