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- 2025/09/26 掲載
なぜ激安店でも超儲かる?岡山発の食品スーパー「ラ・ムー」の“信じられない稼ぎ方”
【連載】流通戦国時代を読み解く
みずほ銀行の中小企業融資担当を経て、同行産業調査部にてアナリストとして産業動向分析に長年従事。分野は食品、流通業界。執筆、講演活動中で、TV等マスコミで情報発信中、連載記事は月6本以上。主な著作物に「図解即戦力 小売業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書」(技術評論社)、「小売ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
価格はどれだけ重要?イオン「トップバリュ」成長の背景
消費者の“安さ”を重視する傾向が強まる昨今、“庶民の味方”としてプライベートブランド(PB)商品への注目が高まっている。加えて、メーカー品(ナショナルブランド:NB)より、安いPBが充実している店が消費者の支持を集めるようになってきている。かつてはNB(メーカー品)の廉価版という先入観から浸透しにくかったが、昨今の苦しいお財布事情から「試したら意外と悪くない」とリピートが増加している。
有名どころで挙げるなら、ご存じイオンの「トップバリュ」は2022年頃までは明らかに伸び悩んでいたが、2023年度前年比プラス12.3%、2024年度プラス8.2%、2025年に入ってもプラス13.2%(第一四半期)と明らかに売れるようになってきている。
値上げが相次ぐ中、ここを商機と見たイオンは、2023年頃から基本価格を据え置きつつ、中には値下げする商品もあるなど、とにかく「安さで手に取ってもらうこと」に努めた。その結果、リピート購買を増やせているようだ。
PBに対する消費者の抵抗感は薄まりつつあり、PBで低価格訴求する小売チェーンには今、追い風が吹いている状況と言える。そんな低価格時代で、異彩を放つ企業がいる。ここからは、成長し続ける“尖った食品スーパー”の商売のカラクリを解説する。
未だ赤字なし…激安スーパー「ラ・ムー」の“激ヤバな稼ぎ方”
激安PB食品小売チェーンと言えば、東日本の人には馴染みがないと思うが、低価格PBスーパーの大黒天物産が伸びている(図表1)。岡山から中四国エリアに中心に、「ラ・ムー」という不思議な名前の激安食品スーパーを展開し、創業以来39期連続増収を続けて、今では九州や北陸信越まで展開し、売上は3,000億円弱、経常利益100億円超にまで大きくなった(中四国の売上は1,218億円)。
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