- 2009/05/19 掲載
【国内中堅中小企業IT投資】2011年までマイナス成長、2008年はITサービスのみかろうじてプラス成長を維持
2008年後半からの世界的な景気後退は、国内の中堅中小企業にも大きな影響をおよぼした。2008年の国内中堅中小企業IT市場規模の実績は、2007年は前年比4.8%増の3兆8,341億円から一転、3兆8,192億円で前年比0.3%のマイナス成長となった。4月の同社の発表では、景気後退の影響を受け、IT投資を減少するとした企業は40.9%にのぼっており、こうした影響が反映されたものとみられる。
IDC Japanによれば、2009年以降もマイナス成長は継続し、プラス成長への回復は2011年以降を予測しているという。
製品別に見ると、2009年のハードウェア市場の規模は1兆421億円で前年比16.4%の大幅減。ソフトウェア市場も規模は8,610億円で前年比2.0%のマイナス成長になるという。その一方で、ITサービス市場の規模は1兆7,122億円で前年比1.1%増のプラス成長を維持すると予測している。
産業分野別では、金融業が前年比6.6%減、製造業が同8.5%減と大きく減少すると予測。その一方、サービスに含まれる医療分野では2012年4月から原則義務化されるレセプトのオンライン化対応とそれに伴う医療情報ネットワークの構築などによって2009年も堅調なIT投資が見込まれるという。2009年のサービスのIT投資はマイナス成長となるものの、同2.4減と比較的減少の幅は小さく、2010年にはプラス成長に回復すると見込まれている。
また投資分野としては、各産業分野ともに事業継続/災害対策、コンプライアンス対応のIT投資は継続するほか、流通、サービスではeコマース関連のIT投資が2009年も堅調に推移するとみている。
国内中堅中小企業IT市場は2011年までマイナス成長と低迷することを予測しているが、その一方でユーザー調査の結果からは、中堅中小企業ではITの利用による経営課題の解決を期待する企業が依然として多いことが分かったという。4月の同社調査結果の発表によれば、多くの企業がIT投資に「売上拡大」効果を期待しているという。
「ITベンダーは、国内中堅中小企業IT市場がプラス成長に回復するまでに現状の中堅中小企業向けビジネスを見直し、中堅中小企業の経営課題やニーズに合致したソリューションの提供を行うことが、今後の事業拡大には重要となる。」(IDC Japan ITスペンディング マーケットアナリストの市村 仁氏)
市村氏はかつて、従業員数99名以下の企業で「金融機関」「公認会計士」の影響が大きいと分析。幅広いニーズに対応できる業界横断型の連携が必要と指摘していた。
|
関連コンテンツ
PR
PR
PR