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  • 2009/08/20

どの業務にSaaSを活用するべきかを判断するのに役立つ3つのポイント:中堅・中小企業市場の解体新書(2)

SaaSとは、ハードウェアとソフトウェアの購入や各種作業を不要にし、利用可能になった状態のソフトウェアを「サービス」として提供できるようにしたものだ。認知度が低いなど、いくつかの課題を抱えているもの、新しい選択肢として確かにその流れは定着しつつある。SaaSを活用することは、今後のIT活用の成否、引いては企業の業績を大きく左右するといっても過言ではない。今回はそのためのヒントとして、SaaSを活用する3つのポイントをご紹介しよう。

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ シニアアナリスト
早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻修了。ジャストシステム、ソニー・システム・デザイン、フィードパスなどを経て、現在はノークリサーチにてアナリストとして、各種リサーチ、執筆、コンサルティング業務に従事。著書は「AdobeAIRの基本と実践」「クラウド大全(共著)」(日経BP刊)など。

「所有」から「利用」への流れは確かに存在

 「SaaS(Software as a Service、「サービスとしてのソフトウェア」)」という言葉を耳にされたことのある方は少なくないだろう。何らかの形でITを活用しようとする場合、通常はパソコンやサーバといったハードウェアを購入し、そこにソフトウェアをインストールする。その後必要な設定作業を終えて、ようやく会計や販売といったアプリケーションが利用可能になる。SaaSはこうしたハードウェアとソフトウェアの購入、各種作業を不要にし、利用可能になった状態のソフトウェアを「サービス」として提供できるようにしたものだ。月額や年額の単位で費用を支払えば、初期に多額の投資は必要ない。そのため、コストをかけず手軽にITを活用できる手段として注目を集めている。

 こうした動きは「所有から利用へ」という言葉で表現される。ユーザー企業にとって大切なのは自社の業務を向上/改善することであり、ITを所有したり利用するのは手段に過ぎない。DVD鑑賞にたとえるならば、DVDというディスクを手元に所有することではなく、映画を楽しむことに本来の意味がある。その手段としてはDVDを購入する以外にレンタルも存在する。実際、DVDレンタルサービスは非常に広く普及している活用している状況だ。ITにおいてもこれと同様の流れが生まれつつあるのが昨今の状況といってよいだろう。

国策としての試みも現段階では発展途上

 既に多くのIT企業がSaaS形態でのサービスに参入している。それだけでなく、国としても中堅・中小企業のIT活用を活性化させることを目的にSaaSへの取り組みを強化している。経済産業省が主導する「J-SaaS」はその代表例だ。中小企業を主な対象として2009年3月末にサービスを開始し、会計/給与/販売といった業務アプリケーションを提供している。

 こうした活発な動きがあるにも関わらず、中堅・中小企業におけるSaaSの活用はまだ発展途上の段階だ。「SaaS」という言葉自体に聞き覚えはあるものの、「実際にどんなサービスが提供されているのか?」という情報がまだ十分に行き渡っていない。先に挙げた「J-SaaS」についても、以下のグラフのように多くのユーザ企業がまだ認知していない状況なのである。

J-SaaSの認知および活用状況

※クリックで拡大


SaaS活用を阻むハードル

 発展途上の段階で認知が低いとはいえ、「所有から利用へ」の流れは不可避である。今後のIT活用においてすべてを所有し続けることはコスト面や運用管理の手間を考えても現実的とはいえない。「所有せず」に「利用する」場面を適宜織り交ぜていくことが、これからの賢いIT活用といえるだろう。

 ではユーザ企業としてはまず何をすれば良いのだろうか?先に挙げた「提供される情報量が少ない」という課題は、時間が経てば徐々に解消されていくだろう。ユーザー企業にとっての本当の課題は、情報が十分に提供されるようになった先に存在する。それは「一体どの業務でSaaSを活用すれば良いかわからない」ということである。今後、数多くの業務アプリケーションがSaaSとして利用可能になってくる。その際、どこでSaaSを活用すれば良いのか?会計システムか、グループウェアか、それらすべてなのか?その判断を的確に下すことは容易ではない。このことが中小企業のSaaS活用を阻むハードルとして待ち構えているのである。

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