- 2010/09/22 掲載
スマートグリッド市場調査:2010年に1兆円超え、2020年には5兆8,170億円へ--09年比で618.5%の拡大
同調査では、スマートグリッド関連として、スマートメーター/AMI(Advanced Metering Infrastructure:高度メーターインフラストラクチャ)、通信ネットワーク、ディマンドレスポンス、ホームエネルギーマネジメントシステム、エネルギー貯蔵システム、ビーグルツーグリッド、コンサルティング/プロジェクトマネジメント、システムインテグレーション、配電自動化/系統保護、高圧送電、専用ネットワーク機器などを対象に含めている。
調査結果によれば、2009年実績で9,405億円、2010年見込みで1兆2,897億円、その後、2020年は5兆8,170億円と、2009年比で618.5%の成長を遂げると予測する。
スマートメーター/AMI関連の先進諸国を中心とした需要は、2010年代前半にピークを迎え、その後、成長の中心は新興国やその他世界各地へと移ると予測されるという。先進地域で今後市場性の高い分野はディマンドレスポンス、エネルギー貯蔵システム、ビーグルツーグリッド。ホームエネルギーマネジメントシステムも利用そのものは増えるが、ウェブポータルや種々の携帯端末などでの無償利用が主流になると予想されるとし、それ自体の市場成長は見込み難いという。
主要製品別動向については以下の通り。
スマートメーター/AMI
2009年 | 2010年見込 | 2020年予測 | 2009年比 | |
スマートメータ/AMI | 4,040億円 | 5,600億円 | 1兆3,000億円 | 321.8% |
スマートメーター/AMI市場の動向は上記表の通り。調査では、双方向通信機能を備えたAMI(advanced meter infrastructure)以上のスマートメーターを対象としている。当初メーターメーカーは、メーターから通信ネットワークまでの対応が求められたが、Silver Spring NetworksやTrilliantといったメーターの通信ネットワークやデータ管理を専門とするプロバイダの登場により、必ずしも通信ネットワークまでの対応が求められなくなった。そのため、スマートメーターで先行したEchelonやGEに代わって、Landis+Gyr、Elster、Sensusといった一般のアナログメーターや電子メーターのシェア上位メーカーがスマートメーターでもシェアを占めつつあるという。
最もシェアを獲得しているのはItron。独自のAMIアーキテクチャ“OpenWay”により、SmartSynchの公衆無線通信と結合させて、いち早く無線メッシュネットワークを展開。さらにSilver Spring Networksの専用無線にも対応した。一方、Silver Spring Networksと同様な関係を結ぶLandis+Gyrは、Silver Spring Networksの直接のライバルであるTrilliantともパートナー関係を結び実績を伸ばし、Itronを追い上げているという。またGEは、北米市場でのシェアは以前に比べ下がっているが、欧米以外の地域への進出では先行しており、グローバル市場ではシェアを拡大しているという。
ディマンドレスポンス
2009年 | 2010年見込 | 2020年予測 | 2009年比 | |
ディマンドレスポンス | 382億円 | 560億円 | 3,900億円 | 1,020.9% |
ディマンドレスポンス市場の動向は上記表の通り。ディマンドレスポンスは、電力使用量がピークに達したときに電力消費を、スマートメーターなどを通じて削減できるようにする仕組み。市場は、ビル・工場・公共機関など、業務・産業分野でのディマンドレスポンス関連機器・システム、同サービス、および一般家庭向けの機器・システム、サービスを対象としている。一般家庭を対象としたディマンドレスポンスは、最近のスマートグリッドプロジェクトでは必須のメニューの一つとなりつつあるという。しかし、現在、市場として他から区別され、確立しているのはディマンドレスポンスサービスのみ。同サービスは近年北米市場で急成長しており、参入企業も増えているという。
【次ページ】米国、欧州、アジア、日本などの地域別スマートグリッドの実態
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