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  • 2012/10/05

Windows 8のビジネス利用で最大の弱点?タブレットとPCの日本語入力環境統合問題

【連載】Windows 8をタブレットで試す

Windows 8の登場がいよいよ間近に迫ってきた。デスクトップOSとしては厳しい意見もあるが、Windows 8で多くのユーザーが期待しているのはデスクトップ環境の劇的な改善ではなく、デスクトップとタブレットでの快適な利用環境の両立ではないだろうか。そこで今回取り上げたのが、「日本語入力」だ。スマートフォンでは画面が小さくて、ビジネス向け文書などの作成環境としては物足りないのは間違いない。そこでタブレット、そのOSとしてのWindows 8に期待が集まるわけだが、Windows 8の日本語入力環境はどうなのか。単なる変換効率といったことだけではなく、タッチキーボードの性能、さらにMS-IMEだけでなく、ATOK、Google IMEなどを利用し、日本語を入力するためのデバイスとしてのWindows 8を評価してみた。

井上健語

井上健語

フリーのテクニカルライター&編集者。1964年愛媛県生まれ。ソフトバンクのPC-98専門誌Oh! PCの編集者を経て、MS-DOS全盛時代にフリーランスとして独立。以来、Word、一太郎などのWindowsアプリ解説書、各種マニュアルの執筆、企業取材などを手がける。2008年度よりMicrosoft WordのMS MVP。個人サイトはMAKOTO3.NETジャムハウスとは紙メディア制作、ウェブデモとは動画制作で共同戦線を敷く。

※本連載のレビューの検証環境は第1回を参照していただきたい。タブレット端末である「MSI WinPad 110W」を前提としているが、ノートPC(Let's NOTE CF-R8)やデスクトップPCにも導入して検証している。

ビジネス利用で必須、日本語入力環境はどうか?

 ビジネスで文字・文章を入力する機会は多い。短いものだとWeb検索のキーワード、長いものだとメール、さらに長いものだと報告書や企画書などがある。人によっては、毎日、ある程度のボリュームの文章を書いている。筆者のようなライターは、その最たるものだろう。

 このように、ビジネスユーザーにとって、日本語入力環境は仕事の効率に直結する。だから人によっては、追加のお金を払ってまでATOKのような専用の日本語入力ソフトを購入する。さて、こうしたユーザーにとって、Windows 8の日本語入力環境は、よりよい環境へと進化したのだろうか。

 今回は、タブレットで必須になるタッチキーボードの使い勝手、そしてハードウェアキーボード、さらにはMS-IMEやATOK、Google IMEも含めた日本語入力環境全般について検証した。

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タッチデバイスで使用するWindows 8のタッチキーボード
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ATOKとGoogle IMEについても確認している

Windows 8ならではの4つの領域

 まず、論点を整理するため、当たり前のことを確認しておく。

 ハードウェアキーボードが付いているデバイスでは、日本語入力プログラム(標準ではMS-IME)がオフのとき、打鍵した文字がそのままアプリケーションに渡される。一方、日本語入力プログラムがオンのときは、打鍵した文字が日本語入力プログラムに渡され、変換処理を経て、アプリケーションに渡される。

 これがタブレットの場合、ハードウェアキーボードのところがタッチキーボードに置き換わる。さらにWindows 8では、デスクトップ環境に加えて、Windows 8アプリ環境(いわゆる、旧メトロUI環境、現在はモダンUIなどと呼ばれる)が存在している。つまり、大きく分けて下記の4つの領域に分けられることになる。

デスクトップ環境Windows 8 アプリ環境
ハードウェアキーボード領域A領域B
タッチキーボード領域C領域D

 このように4つにわかれるWindows 8の日本語入力環境だが、大きく2つの特徴がある。

 1つは横軸で新たに加わった、タッチキーボードについて。Windows 8のタッチキーボードは、原則としてサードパーティのタッチキーボードに代替できない。たとえば、ATOKやGoogle IMEをインストールしても、現時点ではタッチキーボードそのものはWindows 8標準のものしか使えない。もちろん変換エンジン自体はATOKやGoogle IMEのものとなるが、Androidのように独自のタッチキーボードは実装できないため、入力方法そのものは限られてしまうことになる。

 もう1つは、縦軸で新たに加わった、Windows 8アプリ環境(モダンUI環境)だ。同環境と従来からのデスクトップ環境では、同じ日本語入力プログラムを使っていても、機能が一部異なる。当然だが、タッチアプリケーションと従来型のWindowsアプリでは、画面デザインや動作の制約条件も異なる。また、求められるセキュリティ水準も異なってくる。ところが、日本語入力プログラムは、2つの異なる世界で共通の日本語入力環境を提供しなければならないということだ。詳細は後述するが、一見簡単そうに見えて実は難しい問題が内包されている。

 以上をまとめると、Windows 8の日本語入力環境には、これまで提供していたWindowsの領域(領域A)に加えて、新たに領域B、C、Dが加わり、全部で4つのエリアになったことがわかる。

【次ページ】まずは結論、Windows 8の日本語入力環境の評価は?

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