大日本印刷（以下、DNP）は、電子ペーパーを組み込んだ次世代型のポスターを開発した。今回、ジェイアール東日本企画（以下、jeki）と共同で、新潟県内を運行する電車内（1車両）の中吊り広告として「マンガ・アニメのまち　にいがた」を告知する実験を6月5日（水）～7月4日（木）まで実施する。


　電子ペーパーは、静止画の表示内容を必要に応じて書き換えることができ、表示内容の書き換え時以外は電力が不要。一度表示した画面は電力がなくてもそのまま保持できるという特長があり、十分な電力確保が困難な場所でも容易に使用することができる。また、薄く、軽い形状であるため、さまざまな場所に簡単に取り付けることができ、多様なシーンでの利用が期待されている。

　DNPとjekiは、電子ペーパーを利用した新たな交通広告媒体の可能性を検証するため、新潟市文化政策課の協賛のもと、新潟市に今年オープンした2つのマンガ・アニメ体験型施設「新潟市マンガの家」「新潟市マンガ・アニメ情報館」をPRする中吊りポスターを制作。電子ペーパー部分には、『ハイスクール！奇面組』（新沢基栄氏／柏崎市出身）第1巻全13話などを始めとする新潟ゆかりのマンガ家の作品や、上記施設内の展示物紹介などを次々に切り替えながら表示し、通常の紙では難しい新たな広告表現に挑戦する。

　今回の実験に使用する電子ペーパーは、基材にプラスチックを使用しているため、薄型・軽量で曲げることも可能。コンテンツの書き換えは電池駆動で行い、約1か月の連続稼働が可能だ。DNPは、本実証実験を通して、広告メディアとしての電子ペーパーの有用性について検証し、2014年度の実用化を目指す。また、各所の案内板や製造現場で使用する指示書などに向けた電子ペーパーを開発し、2015年度までに5億円の売上を見込んでいるという。