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  • 2014/05/22

クロネコヤマトのIT戦略、進化を続ける「宅急便」とそれを支える「NEKO」システム

大正8年(1919年)創業、クロネコヤマトでよく知られるヤマトグループ。1976年には「宅急便」を開始し、初日に11個だった荷物取り扱い数は、今や年間16億6500万個にまで拡大した。2013年3月度の売上高は1兆2823億円にのぼり、同年7月にはさらなる進化を目指してバリュー・ネットワーキング構想を発表した。ヤマトホールディングス IT戦略担当 シニアマネージャー/ヤマト運輸 情報システム部長の田中従雅氏は「この取り組みは、ヤマトグループの中で創業以来3回めとなるイノベーション」と語り、「顧客視点のソリューションとコスト競争力に裏付けされた顧客満足を実現する」と強調した。いまやネット通販などでも重要な物流網を支えるIT基盤はどう進化を遂げているのだろうか。

西山 毅

西山 毅

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

顧客に新たな付加価値を提供する「バリュー・ネットワーキング構想」

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ヤマトホールディングス
IT戦略担当
シニアマネージャー
ヤマト運輸
情報システム部長
田中 従雅 氏
 ヤマトグループにおける1回目のイノベーションは、創立10年めに日本最初の路線事業者(=特別積み合わせ貨物運送事業者)になったこと、2回目が1976年以降、宅急便事業に大きくシフトしたこと、そして3回目が2013年7月に打ち出した「バリュー・ネットワーキング構想」による新たな価値の提供だ。

 ガートナー ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2014で登壇した田中氏は、「このイノベーションの目的の1つは、事業構造を変えていくこと」だと説明した。

 元々宅急便はC to C(消費者から消費者)に絞ったサービスとしてスタートしたが、現在ではB to Cの荷物が大部分を占めるようになってきている。そこでビジネスユースの顧客にとっても価値ある仕組みの構築を目指すという。

 その中で「バリュー・ネットワーク」の根幹を成すものとして位置づけられているのが、アジア宅急便ネットワーク、ゲートウェイネットワーク、ラストワンマイルネットワークの3つのネットワークだ。

 この中のラストワンマイルは、最後の目的である自宅までの宅配を行うこと。「まさに宅急便の強みとなるもので、我が社の最大の特長。今後、軒先やイエナカにおける各種代行サービスの提供など、高付加価値な生活支援、地域支援を目指す」。

 そのラストワンマイルネットワークをアジア圏に拡大したのが、アジア宅急便ネットワークで、既に2010年からサービスを開始している。ヤマトのグローバル展開の一環として位置付けられるものだ。

 そしてゲートウェイネットワークは、配達時間のさらなる短縮を実現するためのもの。現在の宅急便ネットワークは、トラックターミナルとなるベース店が76店あり、1日に約4万台の車両が稼働している。1つのベース店に集約された荷物は毎日21時を待ち、残りの75店に向かって一斉にベース店を出発することになる。

「しかしこのルールでは、消費者が帰宅してネット通販で商品を買うのが21時を過ぎてしまうと、ショップ側の受注から出荷までの業務は翌日に回ってしまう。すると品物の発送は翌日の21時を待たねばならず、お客さまの手元に届くのは、商品を買った翌々日になる。そこで夜の21時に頼んだ品物を翌日の21時に受け取ることができれば、お客さまはうれしいだろうという発想が出てくる」

 そこでヤマトでは、新たにゲートウェイという物流拠点を設け、25時あるいは28時にゲートウェイを出発する便を作ることで、21時注文の品物でも翌日の夜までには届ける体制を構築した。

「2013年8月に厚木ゲートウェイ、9月には日本最大級の羽田クロノゲートを竣工した。さらに国内の高速化だけでなく、沖縄と成田にある物流ハブも組み合わせることで、よりスピーディな海外輸送を実現していく」

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バリュー・ネットワーキング構想の全体像
(出典:ヤマトHD講演資料)


【次ページ】ヤマトを支える情報システム基盤「NEKOシステム」

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