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- 2014/10/30 掲載
ヤフー 志村 一隆氏、大日本印刷 池田 敬二氏が語る動画・電子書籍ビジネスの未来
1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。
日本はアジアにおけるコンテンツの“聖地”
マーケティングソリューションカンパニー
マーケティングイノベーション本部
エバンジェリスト
志村 一隆氏
同氏は、夏季休暇中に、ジャカルタ、クアラルンプール、シンガポール、バンコク、ホーチミン、台北など、アジアの多くの都市を訪問し、現地の生の空気に触れてきたという。志村氏は、アジア各国の特に印象に残った点を報告した。
「バンコクでもホーチミンでもジャカルタでも、たくさんのバイクであふれ、交通渋滞が酷くて、ほとんど動かない状態。インフラ以上が人に追いついていない感じだ。そういう事情もあってだろうか、放送局の人たちは、時間に遅れてやってきても全く悪びれる様子はなかった」(志村氏)
おおらかさが関係しているのか定かではないが、タイではテレビ番組が決められたタイムスケジュールで放送されるわけではないそうだ。志村氏は「日本のアニメも多く流れているが、正味25分間の放送が終わると、すぐに次の番組になる。さらにバンコクでは、テレビを見ていると突然、国歌が流れたりする。政権放送が始まると予定がずれ込み、いつ番組がスタートするのか現地の人も分からない。そのため日本のテレビ雑誌のようなものが成立しない」と、日本との差について指摘した。
とはいえいくつかの点においては、アジアの流行や文化は日本のそれと同じようなものだという。食文化では、丸亀製麺、天丼てんや、大戸屋など、おなじみの店舗が進出している。ムスリム系を除けばファッションも同様だ。
家電売り場では、4Kや曲面テレビが普通に売られており、ケータイも広く浸透している。若者はスマホで自撮りしたり、日本と同じよう使い方をして毎日の生活を楽しんでいるという。
「デジタル機器については、日本より進んでいるかもしれない。たとえば、台北で乗ったタクシーのバックシートTVは印象的。画質も良く、CMもあり、かなり力が入っていた。スマホをカーナビ代わりに活用したり、タクシーを呼ぶアプリも利用していた。驚いたのはクアラルンプールのデジタルサイネージだ。街中に設置され、スクリーンだらけだった」(志村氏)
一方、コンテンツ系では日本の人気アニメがあふれ、一日中流れていた。現地では「ドラえもん」と「キティちゃん」のグッズが大人気である。日本で行きたい場所の筆頭にピューロランドが挙がるほどだ。また「Dr.スランプ アラレちゃん」や「仮面ライダー」にも人気が集まっている。志村氏は「日本のコンテンツがアジアに波及している。どんどん広めていけば、日本が“聖地”になり、後々よい結果をもたらすだろう」と述べた。
このような状況を踏まえ、志村氏はアジアにおけるメディアビジネスの可能性についても触れた。
【次ページ】電子書籍市場に起こりつつある、インディーズのムーブメント
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