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- 2015/05/26 掲載
エイチ・アイ・エス澤田氏とニトリ社長が断言「アジアの成長なくして日本の成長なし」
澤田 秀雄氏&似鳥 昭雄氏 講演
“ワンアジア”という観点から見ればビジネスチャンス
基調講演には、エイチ・アイ・エス代表取締役会長である澤田 秀雄氏と、ニトリホールディングス代表取締役社長の似鳥 昭雄氏が登壇、「ワンアジアの時代と日本 ~アセアン市場統合がもたらす日本の成長シナリオ~」をテーマにそれぞれ講演し、最後に対談を行った。エイチ・アイ・エスは、海外60か国、125都市、183拠点を有する。そのうち約半数はアジアにあるという。実際、同社のアジア諸国におけるアウトバウンド(海外旅行の売上げ)は、驚異的な数値を示している。過去3年間のアウトバウンド増加率は、タイが370%、インドネシアが770%、ベトナムに至っては2,700%だったという。
澤田氏は、旅行者急増の背景について「運輸の発展」と「迅速な情報伝」を挙げる。ローコストキャリアの台頭で移動コストが大幅に安くなったこと、さらにスマートフォンの普及で、どこにいても欲しい情報がすぐに入手できる環境が整ったことが大きいという。
そのうえで同氏は、「これに加え、アジア諸国は経済力をつけている。今後も(アジア諸国民の)所得水準が向上するのは間違いない。10年後にはアジアの時代が到来するだろう。そのためには、アジアの経済人が協力し、人材の交流も密にして世界最大の経済圏を構築しよう」と呼びかけた。
3年間チャレンジできる資金を用意せよ
アジアに複数の拠点を持つエイチ・アイ・エス。その経験から日本企業がアジアに進出する際に気をつけるべき点として同氏は、「法律/文化習慣/インフラ整備の違いを理解すること」であると語る。「当たり前だが、国によって法律や税金制度、規制は異なる。幅広く情報を収集し、状況を把握することが重要だ。また、文化や習慣は『違うことが当たり前』を念頭に行動する。日本でよいことが海外でもよいことであるとは限らない」(澤田氏)
成功の確率を高める“コツ”について澤田氏は、「現地に足を運ぶこと」「信頼できる現地パートナーを選ぶこと」「現地の成長度合いを見極めること」を挙げる。中でも現地パートナーの選び方は、「社内が整理整頓されているかどうか」を見ることが重要だという。「従業員のやる気と規律を守る土壌のある会社は、整理整頓されている」というのが、同氏の見解だ。
もう1つ重要なのは、「ビジネスを展開するタイミングを見極めること」であるという。例えば、一言で「発展著しい」といっても、タイ/ミャンマー/カンボジアでは、成長の度合いが異なる。「その国と過去の日本の発展レベルを照らし合わせ、“早すぎず、遅すぎず”でビジネスを展開すること」が成功するコツであるという。
最後に澤田氏は、後進へのアドバイスとして「チャレンジしなければ成功は掴めない。最低3年間は継続してチャレンジしてほしい。そのためには、3年ぶんの資金は用意すべきだ。アジア市場にチャンスは多い。5年後のビジョンをしっかり持って成功してほしい。後は運だけだ」とエールを送った。
【次ページ】ニトリ社長、目指したのは家具業界の流通革命
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