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  • 2015/06/01

マイケル・ポーター教授が語る、IoT時代の競争戦略 IoTによる変革の本質は何なのか

「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」によってもたらされる変革は、IT業界の“第3の波”となりそうだ。ハーバードビジネススクール教授のマイケル・ポーター氏は「IoTが革命的なのは、すべてのモノがインターネットに接続したことではなく、(ネットワークへの接続で)“モノの本質”を変化させたことだ」と断言する。では、モノの本質が変化したことで、既存のビジネスはどのような影響を受けるのだろうか。また、どのようなイノベーションが生まれるのだろうか。

ITジャーナリスト 鈴木 恭子

ITジャーナリスト 鈴木 恭子

ITジャーナリスト。明治学院大学国際学部卒業後、週刊誌記者などを経て、2001年よりIT専門出版社に入社。「Windows Server World」「Computerworld」編集部にてエンタープライズITに関する取材/執筆に携わる。2013年6月に独立し、ITジャーナリストとして始動。専門分野はセキュリティとビッグデータ。

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ハーバードビジネススクール教授のマイケル・ポーター氏

常にモノがネットワークにつながっている世界

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 2014年11月、米国の経営学誌「ハーバードビジネスレビュー」に一本の論文が掲載された。「IoT時代の競争戦略(How Smart, Connected Products Are Transforming Competition)」と題されたその論文は、今後のIoTの方向性を示唆するものとして大いに注目された。著者は、ポーター氏とPTC社長兼CEOジェームス・E・ヘプルマン氏である。

 史上最年少でハーバードビジネススクールの教授になったポーター氏は、「競争の戦略」や「競争優位の戦略」など、経営戦略に関する論文を、数多く発表している。特に、1980年に発表した「競争の戦略」は、35年近く経った今でも「経営者のバイブル」として、多くの経営者に支持されている。

 米PTC主催の「LiveWorx 2015」の基調講演に登壇したポーター氏は、未来学者であるアルビン・トフラー氏の著書「第3の波」に絡めてIoTを分析する。「IoTはITに“第3の波”を引き起こす。インターネットが登場したとき、それはユニークな(目新しい)存在だった。しかし、インターネットが汎用的なインフラになった今、ユニークになっているのは、インターネットに接続された“モノ”のほうだ。そのインパクトは、過去の50年間に発生した第1の波/第2の波のインパクトをも凌駕する」(同氏)

 ポーター氏は、「第1の波は、1960年代から70年代のIT化」だと説明する。それまで手作業で行っていた注文処理や経費の支払い、CAD、製造資源計画などが自動化された時代だ。これを契機に企業は、企業間の垣根を超えた業務プロセスの標準化を進めた。各社は独自の経営戦略を維持しながら、IT化による業務効率の恩恵を享受する方法を模索したのである。

 第2の波は、1980年代から90年代におけるインターネットの爆発的普及期だ。ネットワークの普及と高速化に伴い、ビジネスでもインターネットの活用が当たり前になった。企業は、社外の納入業者、販売チャネル、顧客などを巻き込み、多数の業務を、インターネットを介して遂行するようになったのである。

 そして、第3の波は、IoTによってもたらされた「常にモノがネットワークにつながっている」世界だ。あらゆる製品にセンサー、プロセッサー、ソフトウエア、ネットワークなどのコンピューティング機能が組み込まれ、常時接続でクラウドにデータを蓄積するようになった。そして、そのデータの分析結果を製品とやり取り(インタラクティブ)することで、製品の機能を飛躍的に向上させたのである。

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IT業界の変遷
(出典:PTC)


 ポーター氏はこうしたインタラクティブな「常時接続製品」を、「スマート・コネクテッドプロダクト(Smart Connected Product)」と命名している。同氏は、「スマート・コネクテッド プロダクトは、今までの製品ライフサイクルや顧客との関係性、社内組織のあり方にも大きな変化をもたらす」と指摘する。

【次ページ】4段階で進化したスマート・コネクテッド プロダクト

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