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  • 2015/10/29 掲載

COBOL資産を有効活用するためのレガシーマイグレーションとは?(2/3)

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COBOL実行環境をOSSに移行するケースは増える

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東京システムハウス
マイグレーションソリューション部
課長
比毛 寛之氏
 次に、東京システムハウス マイグレーションソリューション部 マネージャー 上野 俊作氏と、マイグレーション課長 比毛 寛之氏が登壇し、MMSを用いたマイグレーションの最新動向を解説した。

「メインフレームの出荷台数は、2005年の6000台から年々減少しているものの、2015年には2000台以上が市場にあると見られる。中堅企業を中心に利用されているオフコンは9000台以上が稼働しており、5年後には技術者がさらに減少することが見込まれることから、移行を進めるなら今だ」(上野氏)

 比毛氏からは、MMSの最新動向について次の2つのポイントが解説された。1点目は、MMSとAJTOOL(独自開発のリソース変換ツール、各種ミドルウェアとの連携を可能にする統合ツール)を組み合わせた移行だ。

 メインフレームマイグレーションの手法は、ロジックは従来のままオープン系のプログラミング言語でアプリケーションのソースコードを書き直す「リライト」と業務アプリケーションには変更を加えず、プラットフォームとなるハードウェアを移行する「リホスト」がある。

 リライトは、「Micro Focus COBOL」に移行し、COBOLと各ミドルウェアとの連携をAJTOOLで実現する方式だ。一方、リホストは、IBMメインフレームに限定されるものの、COBOLやJCL(ジョブ制御言語)、画面資産をそのまま利用できる「Micro Focus Enterprise製品群」に移行するやり方だ。

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メインフレームマイグレーションの手法は2つ。リライトは、過去20年の実績の中で最も多い手法で、各社のメインフレームに対応した移行方式だ。リホストは、移行性は高いが、資産や利用環境の変化が少ない方式となる(比毛氏)

 2点目は、クラウドとOSSを活用する方法だ。システム規模的には、より小規模システムやオフコンの移行に適している。

「クラウドマイグレーションは、コストを抑えて移行したいお客様のニーズに応えるサービスだ。移行ツールをクラウドから利用し、インフラ環境の保守管理もクラウドに移行しマネージドすることで、移行後の運用負荷を低減することが可能になる」(比毛氏)

 クラウドマイグレーションは、変換ツールをお客様が自分で使うSaaS型サービスの「MMS Tools」と、移行後のCOBOL資産の実行基盤を提供する「MMS+Cloud」で構成される。また、OSS COBOLのコンパイラーには、現在は各国のコミュニティで開発が継続されている「OpenCOBOL」のほかに、「GNU COBOL」「opensourse COBOL」などがある。

「東京システムハウスのクラウドマイグレーションの取り組みは、COBOLを安全にクラウドのOSS COBOL実行基盤へ移行し、安定運用するために必要な機能の研究開発を行う事業として、経産省の補助事業者として採択され、平成27年度も事業が継続中だ」

 Windows OSへの対応や、仮想OSの運用管理が容易にできるWeb画面の開発などにより、OSSを採用する企業は増えている。比毛氏は、「今年度の事業では、クラウドのOSS COBOL実行基盤をさらに充実させていく」と語り、COBOLとクラウド分野に注力しながら、今後もIT資産を継承するためのサービス提供を続けるとの抱負を述べた。

【次ページ】コープCSネットのメインフレームマイグレーション事例

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