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  • 2015/12/04

サイボウズ 青野社長、小室淑恵氏、佐藤仙務氏らが語る「変える覚悟、変わる覚悟」

「働き方」の変革は、チームや自社組織に新しい価値をもたらすだけでなく、社会課題をも解決できる可能性を秘めている。サイボウズの青野慶久 社長、ワーク・ライフバランスの小室淑恵 社長、仙拓 代表取締役社長の佐藤仙務氏らが、「長時間労働」「地方創生」といった日本社会が抱える課題に取り組むための「変える覚悟、変わる覚悟」を説いた。

長時間労働対策のポイントは権限委譲と評価の仕組みを変えること

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サイボウズ
代表取締役社長
青野 慶久 氏
 「cybozu.comカンファレンス 2015」にて、青野氏は、「長時間労働」「地方創生」「新しいSI(システムインテグレーション)」という3つの社会的課題を挙げた。

 青野氏は、1つめの『長時間労働』について「今、日本社会は少子高齢化に直面しており、安倍政権は『希望出生率1.8の実現』を政策に掲げている。しかし、企業が長時間労働を強いている限り、出生率向上は実現しない」と指摘する。

 青野氏自身、第3子誕生を機に、それまでの働き方を改め、午後4時までに仕事を強制的に切り上げるように変えたという。こうした「働き方の変革」がもたらしたものについて青野氏は続ける。

「それまでの私は、会社の中だけを見て意思決定をしていた。しかし、子育てを通じて社会と関わり、医療、教育、自治体の問題にも関心を持って知るようになり、社会を知って会社の意思決定することができるようになった」(青野氏)

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ワーク・ライフバランス
代表取締役社長
小室 淑恵 氏
 続いて、壇上にはワーク・ライフバランス 代表取締役社長の小室淑恵氏が招かれた。小室氏自身、妊娠を機にそれまでの「夜討ち朝駆けは当たり前」の働き方を見つめ直し、「残業ゼロ」「有給消化100%」で同社を興し、以来、会社は9年連続で増収増益を続けているという。

「人口が増える“ボーナス期”にあった1990年代までの日本は、早く、安く、大量に、が産業の勝ちパターンだった。しかし、人口に占める働く人の割合が低下する“オーナス期”に入った今の日本では、高付加価値がキーワードになる」(小室氏)

 では、「残業ゼロ」「有給消化100%」を実現するため、同社ではどのようにして社員の生産性を上げているのか。小室氏は「属人化の徹底排除」を挙げる。

「経営者がいなくてもどれだけ会社が回るかが大事だ。権限委譲と育成に徹底的に取り組まないと会社は高付加価値体質にならない」(小室氏)

 具体的には、メールを排除し、グループウェアなどのコラボレーションツールを駆使してワークシェアを促進した。こうしたツールの導入に加え、「時間あたりの生産性」を評価する仕組みがカギを握るという。

「『残業をなくす』というコンサルティングを約900社に実施してきたが、『期間あたりの業績』ではなく『一定時間内での業績』を問うように評価の基準を変え、長時間労働をやめた会社は驚くほど業績が上がり、出産する女性社員も約1.8倍に増えている。長時間労働を強いる会社では、女性は最初から勝負に勝てないと出産を諦めるようになる。業績向上とモチベーション向上、そして出産に意欲の持てる会社というのは、経営者の意識を変え、評価の仕組みを変えることで十分実現可能だ」(小室氏)

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「地方をワクワクした場所へ」、徳島と島根の取り組み

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徳島県
特定非営利活動法人グリーンバレー
理事長
大南 信也 氏
 2つ目の課題は「地方創生」だ。多くの地方都市では産業の空洞化が進み、昨年出版された『地方消滅』という書籍では、約1800ある全国の自治体のうち、2040年にはほぼ半数では若い女性が半減すると指摘されている。

 こうした中、ユニークな取り組みで地方創生に向き合う自治体がある。90年代初頭よりアートや環境を柱に地域と世界をつなぎ、ITベンチャー企業のサテライトオフィス誘致などが「神山モデル」として知られる徳島県神山町と、過疎の島にある公立高校への「留学」という人材育成から、地方創生に取り組む島根県海士(あま)町だ。

 徳島県 特定非営利活動法人 グリーンバレー 理事長の大南信也氏は、成功の秘訣として「受け入れ側の意識の変革」を挙げる。

「もともと、グリーンバレーの取り組みは、『アリス人形』(大戦前に平和と親善を願ってアメリカから日本に送られたアリス人形を、アメリカに里帰りさせようという国際交流プロジェクト)から始まった。自分たちが変わることが楽しいという成功体験がベースにある。地方活性化というと、地方に来る人に変化を求めがちだが、神山では、お互いが変わって、新しいモノを創ろうという意識がある」(大南氏)

 国際交流のプロジェクトと、ITベンチャーの誘致という取り組みは乖離があるように見えるが、「面白い街にしたい」という根底にある思いは共通すると大南氏は語る。

「過疎の街を“救う”という気持ちではなく、ワクワクする街にしたかった。クリエイターや起業家の移住、IT起業のサテライトオフィスの誘致などに取り組んだ結果、街にはサービス産業が生まれ、農業などの既存産業にも変革が波及している。我々が提供する場に参加したプレーヤーが、こちらが予測していないような変革を起こしている」(大南氏)

【次ページ】「丸投げしない」覚悟を求める「ハイスピードSI」とは

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