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  • 2016/02/15

「相手にそれを言わせるのがいい」名物エンジニア達が語るこれからのリーダー像

先達に聞くこれからのエンジニア像(前編)

昨今の急速な技術進歩の中で、技術者はどのような生存戦略をとって成長していくかべきか。こうしたことをテーマにしたパネルディスカッション「先達に聞くこれからのエンジニア像 2016」が、2月5日に横浜で行われたイベント「エンジニアサポートCROSS 2016」で行われました。スピーカーは 楽天 よしおかひろたか氏、Increments 及川卓也氏、ICTトラブルシューティング実行委員会 伊勢幸一氏。司会はニフティ 森藤大地氏。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

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 リーダーとしてチームメンバーをどうしたらモチベートできるのか? イノベーションを起こすヒントとは、そしてコミュニティとどう付き合うのかなど、スピーカー3人の経験談や意見が語られています。

 セッションの内容をダイジェストで紹介します。

与えられた環境でどうすればパフォーマンスを出せる?

森藤氏:今回は、スピーカーのみなさんが若かった頃、予算やメンバー、責任など、与えられたリソースの範囲で最高のパフォーマンスを出すためにどういう働き方をしてきたのか。チームを任されたときに。そのチームを率いるために、メンバーを巻き込んでいくためにどのような将来像や世界観を見ていたのか。

 そして最後に、現在オープンソースソフトウェアの世界が広がっている中で、オープンソースやコミュニティへの関わり方についてもお伺いしていきたいと思います。

森藤氏:まずは最初のテーマなのですが、みなさんが若かった頃、与えられた環境の中でベストのパフォーマンスを出すためにどんなことを考えていたのでしょうか?

伊勢氏:20代の頃はやっぱりペーペーだったので与えられた環境なんてなくて、これをやれと言われたら、ヘイとサーバーを小脇に抱えてお客様のところへいく、という、そんな感じで、深く考えていたことはなくて。もうつねにベストを出さざるを得なかったと。

 ただそのあと少し歳をとると、条件や予算などが与えられるんじゃなくて、自分から提案するようになるんです。そこで、自分が100%やればこれくらいできるかなというのにマージンを乗せて、それで上司やお客様を説得する、といったことをしていたと思います。

森藤氏:サーバを小脇に抱えていた頃、自分のスキルセットをどう考えていたのでしょうか。

伊勢氏:20代の頃はベンチャーにいたこともあって、会社でどう評価されるかより、顧客にどう思われるかを気にしていました。

よしおか氏:私が大学を卒業したのは1984年なので30年以上前なんですね。その頃の話をしても役に立たないかもしれないけど、この30年でやっと気がついたのは、世界はソフトウェアでできていると。

伊勢氏:それ、このテーマとどういう関係があるんですか?(笑)

よしおか氏:それって与えられたコンディションでベストを出すというのは時代の背景があって、私は新卒でハードウェアのベンダに入りましたけれど、いまはハードウェアの会社ってほとんどなくなっちゃって。

 いまこの会場だと、SIerの会社にいる人は?(ほとんど手が挙がらず)、じゃあWeb系の人(あちこちで手が挙がる)。やっぱりCROSSはWebの人が多いですね。どんな会社を選んでもいいけど、Web系の会社を自分で選んでいるという意味で、今日の会場にいる人はいいことなんじゃないかなと思いました。

及川氏:よしおかさん、飲んでます?(笑)

創造性は制約を好む

及川氏:これは上司に言われた言葉なんですが、「及川君、リーダーというのは与えられた条件で最大のパフォーマンスを発揮して、結果を出さなくてはいけないんだよ」と。

 僕の最初の会社はよしおかさんと一緒でDECで、マイクロソフトがWindows NTを開発しているときにDECが作っていたプロセッサへの移植プロジェクトのリーダーとしてマイクロソフトのレドモントに派遣されたんですね。

 ところが行ってみると問題が山積みで、ハードがないとか詳しい人がいないとか。日本と電話会議があるたびに、あれが足りないとかこれが足りないとか言ってたんですが、言ったからといって解決するわけでもないんですね。新しいプロセッサだからハードもまだほとんどないですし、詳しい人もいないのは当たり前で。

 それで上司が言ったのが、及川君が言っていることはわかるけれども解決する見込みもないわけだし、そのなかでどうするかを考えることであなたはリーダーになるんだよと。確かにそうだなと思いました。

 もう1つ話をすると、前職でGoogleという会社にいたんですが、そこで今はYahoo!にいるマリッサ・メイヤーという人が「Creativity loves Constraints」、創造性は制約を好むと言ったんですね。

 ふつうにやっていたら解決しないような強い制約の中で、エンジニアやデザイナーからすごいイノベーティブなアイデアが出てくる。

 私がChromeを担当していたときに、Chrome OSを作るというのがあったのですが、Chrome OSチームはノートPCのフタを開けて電源を入れて10秒でユーザーにGmailなりを使ってもらえるようにしようと考えていました。

 これは、例えばノートPCの起動に1分かかる時間を40秒にしたからといってイノベーションは起きないんですね。これを10秒にするという制約条件が厳しいほど、普通のやり方では作れないからイノベーションが起きる。

 この考え方はソフトウェアの開発でヒントになるけれど、人間のリーダーシップも同じで、ハードも足りないし詳しい人もいない、そういうときにどうするか考えていけば何かアイデアが出てくるし、おそらくそこにリーダーとしてや人としての成長もあると思います。

及川氏:いやー、すごいきれにまとまったね。(笑)

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