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  • 2016/12/01

ドローン・ジャパン春原久徳氏が解説する2020年ドローン市場、産業構造、活用事例

ガジェットとして注目を集めたドローンも、今や開発と活用が進み、IoTの一部としてビジネスシーンでの存在感を増している。IoTと合わせてあらゆる産業での活用が進むドローンビオジネスでは今何が起きていて、これからどうなるのか。ドローンコミュニティ「ドローンクラスター」を主宰し、ドローン・ジャパンの取締役会長も務める春原久徳氏がドローン産業の構造、市場規模、活用事例、具体的な技術をわかりやすく解説する。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

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ドローン・ジャパン 取締役会長 春原久徳氏

図で理解するドローン産業の構造

 ここ数年、ドローンは空の産業革命と言われ、大きな注目を浴びてきたが、「空撮」「物流」「IoT」という側面で大きく3つの役割がある。まず風景や観光、CMなどを撮る「鳥の目」としての空撮だ。次にAmazonや千葉市などが進めている「物流」としての役割も担う。そして3つ目が、空中でデジタルスキャニングを行い、農業・建築・土木などで役立てようとする「IoT」としての働きだ。

 では、なぜ現在ドローンが注目されているのだろうか? ドローン・ジャパン 取締役会長の春原久徳氏は、軍事技術の転用で安定した飛行が可能になったことや、アクションカメラ・ジンバルやフライトコントローラーの向上を理由に挙げた。

「GPSや高度センサーなどのセンシング技術やモーター制御システムが進化しました。またアクションカメラや安定したジンバル制御によるブレない高解像度撮影、操縦の負担を軽減するフライトコントローラー技術も向上しました」(春原氏)

 このような技術進展に伴い、ドローン産業も徐々に形を整えてきた。上位レイヤーにドローン業務活用ユーザーがおり、下位レイヤーにコンサルと基盤がある。さらにコンサルの下位で、ハードウェアとサービス・ソフトウェアが連動する。

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ドローン産業の構造

「ドローンというとハードウェアに目が行きがちですが、実際にはサービス・ソフトウェアが大事。そのほか基盤としての管制システムやセキュリティもこれから伸びてきます」(春原氏)

ドローン国内市場規模は2020年までに1000億円を突破する

 ただし日本では、前述の構造の各要素が、まだそろっていない。そこで春原氏は、世界と日本のドローン市場(無人航空機:UAV)の動向を対比して説明した。現在、世界のドローン市場は44億ドル規模だが、2020年には110億ドルに成長すると予想されている。まずコンシューマ用から台数が出始め、それをベースにサービス・ソフトウェアが広がり、企業に使われるようになった。しかし一昨年ごろから飛行環境の規制が厳しくなりつつある。日本でも首相官邸での墜落事故を契機に航空法が改正された。

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ドローンの世界市場予測。2020年までには110億円規模に成長する見込み。

「そのため、いまは一般コンシューマというより、産業向けの業務活用が中心になってきました。空撮だけでなく、精密農業、監視モニタリング、地図測量などに用途が広がってきています」(春原氏)

 一方、日本では2015年に市場規模は約100億円、2016年には約200億円、2020年までには1138億円に成長するという。特にサービス市場の伸びが著しく、678億円まで成長する見込みだ。産業の分野別にみると、農業への利用が期待されている。

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ドローンの国内市場予測。2020年までには1138億円、あるいは以上に成長する見込み。特にサービス市場の伸びが著しい。またスクールなどの教育系も伸びる。

「全国の農地面積は現在150万haほどあり、そのうち50万haは業務用ヘリコプターで農薬が散布されていますが、残りの100万haが手付かずです。今年からマルチコプターが使われはじめました。また検査や測量分野も広がりつつあります。2020年までに多様な分野でドローンが活用されていくでしょう」(春原氏)

【次ページ】最新ドローン活用事例:損保、医療、物流、メガソーラー検査、インフラ点検

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