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2018年01月05日

ドローンは物流を変えるのか? 「空の産業革命」をめぐる現実と課題

2015年11月に安倍晋三首相が「早ければ3年以内に小型無人機(ドローン)を使った荷物配送を可能にする」と述べ、物流や運搬におけるドローンの本格活用が検討されている。その中で、物流での活用を進めるためのロードマップやガイドラインが作成された。それらを紹介しつつ、ドローンの物流での利用に関わる論点や課題を解説する。

執筆:ドローン・ジャパン 取締役会長 春原 久徳

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物流におけるドローン活用の話はその後どうなった?

(© Elnur – Fotolia)


ドローンの物流活用実現までのロードマップと関連ガイドライン

 安倍晋三首相の2015年11月の発言を受け、2016年夏までに官民の協議会を立ち上げて障害となっている規制を見直す方針を表明した。

 この発言を受けて、2017年5月には「空の産業革命に向けたロードマップ(小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備)」が官民協議会より提出された。

 このロードマップは、ドローンの飛行状況を下記の通りにレベル分けをしている。

レベル1:目視内での操縦飛行
レベル2:目視内飛行(操縦なし)
レベル3:無人地帯での目視外飛行(離島や山間部への荷物配送)
レベル4:有人地帯での目視外飛行(都市の物流)

 このレベル分けの中で、各分野でのロードマップが策定されている。物流に関しては、以下のような発展が設定されている。


 2018年に向けては、無人地帯における目視外飛行(レベル3)実施が本格化しようとしている。

 現在、目視外飛行の承認にあたっては、補助者の配置が原則となっているが、たとえば離島、山間部などの無人地帯での小型無人機を使った荷物配送の本格化には、補助者を配置せずに目視外で小型無人機を飛行させることが不可欠となってくる。

 小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会では2016年7月に「今後、機体、操縦者資格及び運航管理マニュアルについて民間団体等の自主的取組等の運用を通じたレベルアップにより、安全上のリスクの低減を図っていくこととする。これにより、民間団体等の機体の認証や操縦者の資格等を通じて、補助者を配置しなくても補助者を配置した場合と同等の安全性の確保を可能とし、業務として目視外飛行を行うような運用(レベル3)が2018年頃には本格化するよう、審査要領の改正等により必要な仕組みを導入する」と提言された。

 それを受けて2017年12月22日に(社)日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は民間による日本初のドローン物流のガイドライン制定を検討し、 「JUIDA物流ガイドライン(案)」を公表した。

 その前提条件は下記の4点。
(1) 過疎地(山間部・島嶼など)での運用
(2) 2地点間単機飛行
(3) 目視外飛行による自動航行
(4) 運用機体はマルチコプターを想定

 このガイドライン(案)は、以下の15項目から成り立っている。
(1)リスクアセメント
(2)飛行空路
(3)機体
(4)異常監視
(5)機体情報の遠隔監視方法
(6)ハッキング対策
(7)機体の登録
(8)機体検査
(9)操縦者
(10)離発着場
(11)保険
(12)事故発生時
(13)運用
(14)輸送業務
(15)禁制品

 今後、このガイドライン案は項目別に詰められ、3月に正式なものとして発表される予定だ。これにより、2018年より、レベル3(無人地帯における目視外飛行)の飛行が本格化していく道筋がつけられていくだろう。

【次ページ】とはいえ空を飛ぶドローンがベストかの検討は必要

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