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2018年01月09日

クルマの「定額制」が本格化、ウーバー利用で消費者が気づいてしまったあるニーズとは

クルマ社会の米国でも今、クルマを持つ、という考え方が急速に変化しつつある。特に若い世代がクルマを持たず、ウーバーやリフトなどのライドサービスを多用することが自動車メーカーの売り上げに影響し、メーカー側も新たな車の所有方法を模索、消費者に提示する必要に迫られている。使ったら使った分だけ、クラウドサービス型ともいうべき、月額費用を払えばサービスとして利用できるという「定額」モデルは決して目新しいものではないが、ライドサービスを利用することで消費者が「気づいてしまった」こともあった。

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

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クルマ社会の米国も大きな岐路に立っている

(©thomasknospe - Fotolia)


クルマもクラウドサービスと同じサブスクリプション型に

 車は定額制の時代へ。現在米国で進んでいるのがこうしたサービスの普及だ。定額制、とは英語でsubscription(サブスクリプション)と呼ばれるが、その名の通り音楽やビデオなどの定額制で月々の視聴が無制限、といったサービスを車に対しても適用しよう、というものだ。

 このサービス、最初は比較的高級ブランドから始まった。ポルシェが提供するポルシェ・パスポートでは月々2000ドルまたは3000ドルのプランが用意されている。

 2000ドルのプランではケイマン、ボクスター、メーカン、カイエンの4種類、3000ドルのプランではこれらに加え911カレラ、カレラカブリオレ、パナメラの7車種が利用可能で、希望に応じてこれらの車を何度でも乗り換えることができる。

 最初に500ドルの初期費用が必要だが、契約は1ヶ月単位。つまり1ヶ月だけポルシェに乗ってみたい、しかも色々なモデルを試してみたい、という人にとっては理想的なプランとも言える。このプランには最高100万ドルの対人対物保険、税金、洗車費用、メンテナンスなどすべてが含まれている。

 これと似たサービスを提供しているのがGMのキャデラック。こちらはキャデラック・ブックと呼ばれるサービスで、月々の費用は1800ドル、選べるモデルはハイパフォーマンスカーのATS-V、CTS-V、セダンのCT6、クロスオーバーのXT5、SUVのエスカレードで、年に18回まで乗り換えができる。

 こちらも諸費用に加え車内Wi-Fiホットスポット、GMの車内コミュニケーションシステムであるオンスターなどが含まれている。ただしサービスが提供されるのは現時点ではニューヨーク、ダラス、ロサンゼルスのみ。

 この2つはハイエンドなサービスと言えるが、もっと手頃な価格でのサービスも提供されている。ボルボでは11月末のロサンゼルスオートショーで近く発売予定のXC40コンパクトSUVを月々600ドルで提供するケア・バイ・ボルボを発表した。

 ただしボルボのサービスはポルシェやキャデラックのものとは違い、利用できるモデルはこの1台のみで乗り換えサービスはなし。また契約期間は2年で、どちらかといえば短期のリースに近い。ただしリースとは違って頭金なし、メンテナンス、保険などもこの料金に含まれる。

ライドサービスが伸びているのはあるニーズが満たされるため

 なぜ今自動車メーカーがこうした定額制にこだわるのか。そこにはウーバーに代表されるライドサービスの台頭の影響がある。さまざまな批判を浴びつつもウーバーの取扱高は2014年の29億ドルから15年には100億ドル、そして16年には200億ドル、と成長を続けている(2016年は同社発表、2014年〜2015年は関係者リーク情報についてのThe Informationの記事より)。

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ウーバーでの取扱高


 その背景にあるのは「シチュエーションに合わせて乗る車を選ぶ」という消費者の行動だ。ウーバー、リフトなどは価格がスタンダードの小型車から、荷物が多い場合のミニバンなど、利用者のニーズに合わせた多種多様な車両の提供を行っており、これが成長の一つの秘訣ともなっている。

 キャデラック・ブックの担当者は「たとえば1人でパフォーマンスカーの性能を楽しみたい、通勤にゆったりしたセダンに乗りたい、家族とともに大型SUVで楽に走りたい、というユーザーの希望を叶えるためにこうしたプログラムを用意した」と語る。

 つまり自動車メーカー側もこうした「1台を所有することにこだわるのではなく、目的に応じて車を使い分ける」ことが今後のトレンドになることを理解しているのだ。

 しかし、ポルシェやキャデラックのサービスは一般庶民が利用するにはあまりにも高額だ。メーカー側にとっても、利用者が乗り換えるたびに新車を提供することになるため1年間に複数のユーズドカーが生まれる、というリスクがある。

【次ページ】次の戦場「中古車市場」に続々参戦

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