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  • 2018/11/06 掲載

「10万円無料」で“炎上”の侍エンジニア塾、セキュリティ観点での問題も

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「侍エンジニア塾」というプログラマー向けの私塾が、景品表示法違反が濃厚な広告で生徒を勧誘していたとして炎上した。一部で不正を知った受講生からの解約拒否のトラブルも発生。さらに、このことをブログ等で告発した人たちを、当該企業がグーグルへのDMCA申請を行う逆SEOでさらに炎上。しかし問題は不正が濃厚な広告やDMCAの濫用、企業コンプライアンスだけではい。セキュリティ上のある問題点を指摘したい。

執筆:フリーランスライター 中尾真二

執筆:フリーランスライター 中尾真二

フリーランスライター、エディター。アスキーの書籍編集から、オライリー・ジャパンを経て、翻訳や執筆、取材などを紙、Webを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

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侍エンジニア塾が、キャンペーン表示での不適切な記載やDMCAの誤った利用方法で物議をかもし炎上した。しかし、公開しているサンプルプログラムにも問題が?
(©Martin - Fotolia)

問題の本質は景表法違反とDMCAの悪用

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 まず、問題になった株式会社 侍が表示した広告は、無料入塾キャンペーン(先着20名のみ入塾金10万円が無料となる)の期日が、スクリプトによって「閲覧当日+7日」として常に表示されるようになっていたというもの。起訴・訴訟には至っていないものの、景品表示法違反が十分に成立し得る広告だ。

 この問題をSNSで指摘され最初の炎上が始まったのだが、その後の対応も悪手が続く。いまなら10万円安くなると手続きを急いだ塾生が、騙されたと思い解約を求めると、解約を拒否されたという報告がネット上に上がった(消費者センターに相談し解約できた人もいる)。

 SNSやブログでの指摘が増えると、それらをネット上から見えなくするため、グーグルに「DMCA申請」を行った。DMCAは、米国の「デジタルミレニアム著作権法」のこと。ネット上のコンテンツが違法コピー、無断使用である場合、著作権者がプロバイダーやプラットフォーマ―に当該コンテンツの削除できる権利が明記されている。グーグルはDMCAに基づく、通報窓口を設けて対応している。

 本来、著作権侵害に対応する法律だが、自分に都合の悪い記事、ブログを封殺するために利用されることがある。過去にも炎上企業が、批判記事やブログそのものを削除できないときに利用(悪用)することがある。

企業としての対応のまずさ

 不正が疑われる広告とDMCAの不適切な利用は、この問題の本質部分である。株式会社 侍は、すでに謝罪文をホームページに公開し、DMCA申請の取り下げも行っている。

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株式会社 侍では「DMCA申請に関するお詫びとお知らせ」として謝罪文を公開している

 しかし、謝罪はDMCAの誤用についてと申請の取り下げについてのみ(10月28日現在)で、もう一方の広告・景表法違反についての記述がない。

 そのため、DMCA申請取り下げについての謝罪を評価する声があるものの、不正広告を認めていないと非難する声も少なくない。犯罪にかかわる問題なので、簡単に発言できない事情もわからないでもないが、一連の対応や謝罪アナウンスなど、企業コンプライアンスや管理能力に疑問符がつく。

 そもそも、プログラマやエンジニアを育てようという企業が、JavaScriptの日付関数で「+7」するというコードを使うというのも、技術レベルが高いのか低いのかよくわからない。解約希望者への返金対応もばらつきがある。炎上についての情報が社内で共有されているのかも不明だ。それ以前の問題として、経営者や現場は、クーリングオフなど商法に関する知識を持っていたのだろうか。

 謝罪文もコーポレートサイトのみの表示で、肝心の受講者が利用するサービスサイトからのリンクはない。不正広告を認めていないため、表示は必要ないという判断と思われるが、ネット上に指摘がある以上、この判断も微妙だ。声が大きくなった場合、いまより難しい説明をしなければならなくなるからだ。

  しかし、問題はこれだけではない。

【次ページ】セキュアコーディングに反する指導は許されない

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