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  • 2019/05/23

GAFAでも独特なアップルのセキュリティ戦略、サブスク参入で変わってしまうのか

Android端末とiPhoneを比べたとき、多くの専門家は「iPhone(iOS)のほうが安全だ」という。巨大プラットフォーマーとして「GAFA」(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)とひとくくりにされがちな中、アップルだけがセキュリティについて独自ポリシーを貫くことができるのはなぜか。それは、GAFAの中で唯一ハードウェア販売をコアビジネスとしている企業だからだ。しかし、気になる動きもある。それは3月に発表された各種サブスクリプションサービスだ。

フリーランスライター 中尾真二

フリーランスライター 中尾真二

フリーランスライター、エディター。アスキーの書籍編集から、オライリー・ジャパンを経て、翻訳や執筆、取材などを紙、Webを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

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アップルのサブスクリプション参入で同社のプライバシー戦略はどうなる?
(Photo/Getty Images)

プラットフォームビジネスが抱える本質的なリスク

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 フェイスブック CSO、Alex Stamos氏は、2017年のBlack Hat USAの基調講演において、セキュリティやプライバシーの過剰な保護による可用性低下の弊害を指摘していた。近年のセキュリティでは、業務やビジネスを阻害する運用が問題視されており、この意見には多くの専門家も首肯した。しかし、同社は2018年にCambridge Analyticaスキャンダルで批判の矢面に立たされた。

 グーグルは、Google Mapsなど一部のサービスにおけるユーザー情報の利用について、フランスのデータ保護機関からGDPRに違反していたとして62億円の制裁金を課す判決を受けた。

 アマゾンは、ユーザーとAlexaの会話内容を従業員が聞ける状態にあったとBloombergに指摘された。会話内容は、機能改善など業務上限られたもので誰もが自由に盗聴していたわけではないとされるが、不必要な会話内容の共有が行われていた問題も指摘されている。

 どの事例もそれぞれの立場で言い分はあるだろうが、多くの巨大プラットフォーマーは、広告や各種サービス連携のため個人情報やプライバシー情報に依存する部分が多く、当然その責任とリスクが避けられない。

プラットフォーム化したハードウェアの強み

 しかし、GAFAという略称で前述の企業と並び称されるはずのアップルは、相次ぐ他社のスキャンダルやインシデントを尻目に、他社とは一味違ったセキュリティポリシーを貫いている。

 連邦捜査局(FBI)からの情報開示要請(正確には容疑者のiPhoneのロック解除依頼)を拒否したり、「プライバシーは基本的人権のひとつとして、欧州連合(EU)居住者以外でも保護する」、「我々は、顧客情報を製品と考えて利益を得ようとは考えていない」などと、声だかにプライバシー遵守を叫んでいる。

 これは、アップルは、GAFAの中では唯一ハードウェアをベースとしたプラットフォームを持っているからに他ならない。グーグルやフェイスブックのように広告ビジネス、つまり、ユーザーの属性情報や行動履歴など、個人情報やプライバシー情報でマネタイズする必要がない。これがアップルの強みである。

 それだけではない。iPhoneやMacといったデバイスに紐づいた、App Storeというゲームや音楽などを流通させるエコシステムの成功が、単なる製造業ビジネスと一線を画している。

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プライバシー保護機運の高まりはアップルにとってむしろ追い風となった
(Photo/Getty Images)

【次ページ】製品販売モデルの「限界」で、サブスクへ参入。浮かび上がるひとつの懸念とは

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