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  • 2019/10/28

超・人手不足&AI後進国の日本 今どんな自動化イノベーションが生まれているのか

前回の記事では、「AI後進国」である日本の現状を再確認した上で、GAFAやBATに代表される米中のイノベーションは日本にはなじまない可能性があることを示した。ではそんな中、国内ではどのような“イノベーション”が芽を出そうとしているのだろうか。人手不足が止まらない日本の製造・飲食・小売の現場に解決策を提示する国内スタートアップに話を聞いた。

ABEJA 新規事業担当 羽田卓生

ABEJA 新規事業担当 羽田卓生

1998年にソフトバンク入社後、出版事業部に配属。2007年のボーダフォン買収後は、通信ビジネスに主に従事。2013年、あらゆるロボットの制御を担う汎用の基本ソフト(OS)「V-Sido」を開発・販売するアスラテックの立ち上げ時より同社に参画し、現在同社のパートナーロボットエヴァンジェリストとして活動。2019年より、株式会社ABEJAに参画。そのほか、Mira Roboticsパートナー/ストラテジスト、任意団体ロボットパイオニアフォーラムジャパン 代表幹事、特定非営利活動法人ロボットビジネス支援機構(RobiZy)アドバイザーほか、執筆活動も行う。


産業用アームロボットとAIで職人の技術を継承

 日本の中核産業である製造業は課題の多い分野である。人手不足に技術継承など、ロボット、AIで解決したい問題が多くある。その問題に向き合うプロダクトがリンクウィズのL-ROBOTだ。

 このL-ROBOTは産業用アームロボット向けのティーチングを補正する。産業用アームロボットはすべて自動で稼働し続けるわけではなく、手動で細かい修正を繰り返しながら運用している。現場の経験が重要となってくる。

 L-ROBOTは各種センサー技術やAIを駆使して、これまで人間の感覚と手作業で行っていた補正の自動化に成功した。省人化のメリットもあり、技術継承問題も解決できると期待されている。

 リンクウィズの代表取締役 吹野 豪氏の出自は、製造業界でもロボット業界でもない。3DCADソフト開発会社のソフトウェアエンジニア出身だ。「このプロダクトを通じて製造業の現場の『当たり前』を変えたい。産業用アームロボットは床に固定されているのが当たり前。弊社の技術を用いることで、そのような当たり前を変え、工場そのものや働き方さえ変えることができると思う」と話す。

 またこのプロダクトがPoCの壁を越えて、すでに実運用のフェーズに来ている要因について、「(ロボット開発企業は)ユーザーはそもそも何を解決したかったのか、忘れがちになる。実作業、業務においての有用性の評価も含めたPoC計画の立案が重要」と答えた。


「取り置き」で大幅省人化する飲食店舗

 飲食の世界でもAIなどのテクノロジーを用いた新しい試みが起きている。その1つが、寿司ブリトー(注1)を無人で受け渡す新業態店舗、「beeat」だ。このbeeatを運営するのはユーボというスタートアップベンチャーである。飲食店を運営するにもスタッフがそろわないという問題が起き始めている中で、調理スタッフさえいれば後は無人で運営できる点にこのシステムの優位性がある。

注1:巻き寿司とブリトーを合わせた食べ物。米と生魚・チキン・牛ひき肉などの具材を、小麦粉で作られたトルティーヤに巻いて食べる。
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オンライン注文、キャッシュレス決済、無人受け渡しを行っている「beeat」

 店舗内は無人で、写真のように受け取りボックスが並び、ここからオーダーした人間が自ら商品をピックアップして持ち帰る仕組みになっている。このbeeatでは、下記のような新しい技術がいくつも使われている。

・オンラインでの注文、決済によるキャッシュレス
・各種センサーを装備した受け取りボックスでの円滑な受け渡し
・ダイレクトプライシングを導入し、混雑度合いなどに合わせた価格変動


 ユーボの代表取締役 佐藤 丈彦氏は、以前は飲食業に厨房(ちゅうぼう)機器を販売するビジネスを行っていた。その中で飲食業界の人手不足問題を痛感し、このシステムを考案したという。

 佐藤氏は実店舗であるbeeatを自ら始めた理由として「(無人受け渡しという)コンセプトを説明しても外食業界で誰も動いてくれない。だから自分でリスクを取って、自分が考えるコンセプトを具現化し世に問うことにした」と話す。また「リスクを取って実現させることで話題になり、話を聞いてくれる態度が変わった。やはりコンセプトだけでは何も変わらない」とも語った。

【次ページ】飲食の最適化は自販機モデルにあり

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