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- 2019/12/05 掲載
5G時代の到来で、自動車業界から「劇的に消える仕事」「生まれる仕事」
自動運転をリードするのは?
5Gは、自動運転からデジタルヘルス、VR、ストリーミングサービスまで、大きな変革をもたらすといわれる。自動車関連のマーケットリサーチ会社、TUオートモティブによると、米国での5G関連の投資総額は2035年には1兆2,000億ドルに達し、5Gのバリューチェーンのみでもたらされる経済効果は3兆5,000億ドルに達する見込みだ。5Gの導入、普及に伴い、業界をリードする役割にも変化が見られ始めた。TUオートモティブが行った調査によると、2017年の時点では「自動運転の開発、業界スタンダードの設定をリードするのは誰か」という問いに対し、答えが分散していた。自動車メーカーはもちろん、グーグルやアップルなどのテクノロジー企業、通信会社、自動車サプライヤー、クラウドサービスなどがそれぞれ10%以上の回答を占めていた。
ところが2019年に同様のアンケートを行うと、テクノロジー企業が45%と圧倒的な数字を占めるようになった。自動車メーカーはあくまでハードウェア作りの担当であり、自動運転を推進するのはソフトウェアを提供するテクノロジー企業、という考えが明確になりつつある。
スプリントの「キュリオシティ」とは?
このような状況の中、通信会社も携帯サービスだけではなく、IoT全般に関わるサービスソリューションを提供する必要が出てくる。そこで米通信大手スプリントではIoTに特化した「キュリオシティ(Curiosity)」を生み出し、5G時代に備えている。まずキュリオシティはコア(Core)とOSによるプラットホームから成っている。スプリントのストラテジー・アンド・パートナー・マネジメント部門のアクテル・ジャビッド氏によると、コアとは「ソフトウェアのために構築されたIoTネットワーク」だそうだ。
キュリオシティのビジネスに対するソリューションの柱として挙げられているものは下記の通り。
- (1) 車両、商用車管理:
商用車のトラッキングおよび全体的な管理- (2) 資産管理:
高価値の資産トラッキング- (3) モバイル・コマース・ソリューション:
いつでもどこでも利用できるコマースのためのモバイルソリューション- (4) キュリオシティ・センサー・ソリューション:
ワイヤレス・センサー・モニタリング- (5) ドライバー・セーフティ:
商用車のセーフティ・ソリューション- (6) スマートビルディングとスマートシティ:
市全体に及ぶコネクティビティサービス- (7) キュリオシティ・スマートビデオ・アナリティクス:
自動ビデオ分析
ユースケースはこれだけに留まらない。スプリントではキュリオシティを用いた「IoTファクトリー」というオープンプラットホームも提供しており、「いかなるスケールのビジネスもIoTにつなげることでテクノロジーの民主化をはかり、すべての人々が利用できるサービスとする」という目標を掲げている。
具体的なユースケースとしては、レストランやフードサービスが食品の安全性を確保するために温度モニタリングしたり、不動産管理会社が建物のメンテナンスや快適度・セキュリティなどをチェックしたり、コンビニで在庫管理のための温度調節を行うなど、多様なものが想定されている。
【次ページ】自動車業界から消える仕事、生まれる仕事
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