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  • 2022/06/20

内製化トレンドで「オープンソース活用」企業が増加、問われるベンダー・SIerの真価

DX(デジタルトランスフォーメーション)や攻めのITを目指して、外部のIT企業の力を借りることなくOSS(オープンソースソフトウェア)やクラウドサービスをアジャイルに組み合わせてサービスを開発する企業が増えています。こうした変化に伴って、OSS推進団体が掲げてきた「OSSの利用促進」という錦の御旗やそれに基づく活動も、今後、修正が必要になってくるかもしれません。今回は、OSSに関わるプレーヤーの変化とOSS推進団体の今後の在り方を考えてみます。

執筆:OSSコンソーシアム 小田切 耕司 /小林 敦

執筆:OSSコンソーシアム 小田切 耕司 /小林 敦

小田切 耕司
OSSTech 代表取締役チーフアーキテクト。OSSコンソーシアム理事・会長、OpenAMコンソーシアム理事・会長、日本LDAPユーザー会設立発起人、日本Sambaユーザー会初代代表幹事。1996年頃からSambaに取り組み、1997年に日本初のSamba解説本を執筆、1998年にSamba 1.9日本語版を国内初で開発。1990年代からDAPやLDAPにも関わり、OpenLDAPの日本での普及にも貢献。

小林 敦
OSSコンソーシアム理事・副会長。三菱電機 コンピュータシステム製作所、情報通信システム開発センターなどを経て現在、分社化された三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)のクラウドビジネス推進プロジェクト部長。なお、ここでの記述は所属企業の公式見解ではありません。

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「OSSの利用促進」をビジネスに取り込めるのは誰か
(Photo/Getty Images)


OSSを自ら導入できる企業は限られていた

 大学や企業の研究室などでの小規模なソフトウェア利用やPoC段階での利用を除くと、以前は自社内に技術者を擁して自らの責任においてOSSを導入し、継続的に運用維持できるのは、先進的なエンジニアリング系企業に限られていました。

 自社内の情報システム部門のリソースが十分ではない企業や団体は、開発コミュニティーが公開しているOSSを自らダウンロードして利用するのではなく、多くはソフトウェアベンダーやSIer(システムインテグレーター)などIT企業の支援を受けながらOSSを導入・利用していました。

 意識せずにOSSを使用しているケース、たとえばスマホでAndroidを使用していたり、テレビでWebブラウザーが動作していたり、ソフトウェア製品の中にWebサーバが組み込まれているような場合も、提供元企業の支援を受けながらOSSを導入・利用しているといえます。

 そのため、企業や団体が自社内の情報システムや製品にOSSを採用するきっかけは、これまではソフトウェアベンダーやSIerなどIT企業からの提案による場合が多かったと思われます。


IT企業がOSSを導入する理由とそのコスト

 IT企業がOSSを提案する理由は、必要な機能・性能を実装したOSSがすでに存在しているため、それを流用する場合が多いのですが、時にはIT企業が自らのビジネスの中でOSSをどのように位置づけているかも影響していました。

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IT企業がOSSを導入する理由
(Photo/Getty Images)

 たとえば、自社開発のソフトウェアを保有している領域では積極的にOSSを選定しませんし、逆に自社開発のソフトウェアを保有していない領域では競合他社からソフトウェア製品を調達するのを避けて、あえてOSSを選定するかもしれません。

 また、特定のソフトウェア製品への依存(ロックイン)を避け、競争原理を取り入れる意図がある場合もありました。

 企業や団体が自社内の情報システムや製品にOSSを取り入れて安全・安心に利用し続けるためには、上述のようにIT企業の支援を受けるためのコストが発生します。このコストは、実は有償のソフトウェア製品のライセンスを購入する場合と比べて、必ずしも安価に抑えられるとは限りません。

 そのため、企業や団体がOSSを導入・利用する際は、「OSSは無償だから」だけで判断せず、IT企業からの提案の妥当性や真意を見極める必要があります。特にIT企業が的確にOSSを扱う能力、およびOSSの開発コミュニティーと関わる能力を有しているかどうかも、コストの妥当性を見極める上で大きなポイントです。

【次ページ】ユーザー企業がOSSを導入・利用するリスクは?

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