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- 2020/01/21 掲載
製造業必見、4つの企業タイプで見る「DX指針」--IDC Japanが解説

1年でほとんど変化のなかった、日本企業のDX成熟度
昨今、デジタルトランスフォーメーション(DX)を軸としたデジタルネイティブエンタープライズ(DNE)への変革が加速していると言われる。ただその一方で、まだ多くの企業でDXへの取り組みは始まっていない、もしくは全社的な取り組みに至っていないという実態も見え隠れする。
ソフトウェア&セキュリティ/
ITスペンディング グループディレクター
眞鍋 敬氏
この結果だけを見るならば、決して悪い数字ではない。むしろ「日本企業もけっこう健闘している」と思えるのではないだろうか。だが、本当の問題は、この前年の2017年調査との比較にある。その結果は標準基盤化(46.1%)、定量的管理(28.1%)となっており、つまり1年間でほとんど動きが見られなかったのだ。
2019年調査がどんな結果を示すのかはまだ分からないが、果たして大きな動きが現れるかどうか。「立ち止まっている日本企業のDXをどうやって動かすかが、最大の課題です」と眞鍋氏は語る。
続いて登壇したIDC Japan ITスペンディング リサーチマネージャーの村西 明氏が、日本企業のDXへの取り組みに関して、より詳細な調査結果を示した。それによると「DXの取り組みは見られない」「DXに取り組もうとする個人はいるが、限定的であり組織の戦略と結びついてはいない」と回答した企業が全体の約40%を占めており、依然として多くの日本企業が組織的にDXに取り組めていない実態が明らかになった。

ITスペンディング リサーチマネージャー
村西 明氏
また、DXに取り組んでいる日本企業の中でも、その内訳は、業務効率化が39%、組織連携の効率化が21%、新たな価値創造が26%となっており、やはり多くの企業がDXの導入は道半ばであるという。
製造業が目指すべきDXの方向性を4分類
そんな日本企業のDXを後押しすべく、IDCが提唱しているのが「Digital Transformation (DX) Use Case Taxonomy」と呼ぶフレームワークである。「20のインダストリーに対して、テクノロジー起点ではなく産業分野ごとのミッションと、それを実現するためのストラテジーを起点にしたDXシナリオを提供し、トータルで800を超えるユースケースを提示しています」と村西氏は説明する。特に製造業に関して、類似する課題や投資パターンを持つ企業を次の4つのグループに分けるとともに、それぞれに目指すべきDXの方向性を示した。
- (1)Engineering Oriented Value Chain
- 組立製造業のうち、産業機械、航空宇宙、運搬機械、建設機械など、高い複雑性と工学技術を伴う製品を扱う企業
- DXのミッション:Creating Experience Ecosystems (エクスペリエンス・エコシステムの創出)
- (2)Technology Oriented Value Chain
- 組立製造業のうち、半導体やハイテク機器、家電機器など、プロセッサなどカギとなる基礎技術により、製品の物理的な動きが反復性を持つ製品を扱う企業
- DXのミッション:Technology as a Service(テクノロジーのサービス化)
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