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  • 2020/12/08

日本のチャンスは「6G」まで先送り?“5Gウォッチャー”が語る世界の5G動向

数年前から世界各国で広がりを見せている、「第5世代移動通信技術(5G)」。2020年3月、日本でもようやく5G商用サービスが開始され、今年は「5G元年」と言われている。今後、5Gサービスはどう普及していくのだろうか? 同分野に詳しい“5Gウォッチャー”、アイ・ティ・アール(ITR)のチーフ・アナリストであるマーク・アインシュタイン氏が5Gに関する最新動向や活用事例、最新の技術トレンド、日本における今後のビジネス展望などを語った。

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世界で次々、5Gの活用例が出て来ている。日本のチャンスはあるのか?
(Photo/Getty Images)

※ 本記事は、2020年10月6日に開催されたオンラインイベント「IT TREND 2020(主催:アイ・ティ・アール)」における「5G Enterprise Services Outlook」の内容を基に再構成したものです。


順調に世界中で拡がりを見せる「5Gサービス」、現時点での先行国は?

 次世代の移動通信技術として注目される「第5世代移動通信技術(5G)」。国内の大手通信事業者3社が2020年3月に商用サービスを開始し、同年9月には楽天モバイルが続くなど、国内でも徐々に広がりを見せている。

 アインシュタイン氏は“5Gウォッチャー”として、全世界を対象に5G、および5Gをベースとする関連技術やサービスの普及状況を調査・分析している。

 世界的な5Gの普及状況について、同氏は「世界各国で5Gサービスが展開されている中、ネットワークカバーや成熟度という観点では韓国が先行している」と説明する。

「大手通信事業者3社がサービス提供に乗り出し、すでに人口の12%が5Gサービスを利用している。4Gと比較すると、約5倍のダウンロードスピード。データボリュームの点でも、4Gユーザーが1カ月当たり平均7GBであるのに対して平均約30GBだ」(アインシュタイン氏)

 さらに同氏は「韓国から学べるのは、スピードが上がればそれだけ消費も促進される、ということ」と解説する。

 一方で、SKテレコム(韓国最大の携帯電話事業者)の1ユーザー当たりの平均収益(ARPU、Average Revenue Per User)は、2018年にサービスを投入して以降思うように伸びていないと指摘。「5Gにおいては、個人ユーザーからの収益はそれほど期待できないことを意味しており、5Gビジネスは法人向けサービスが主戦場となる」との見解を示した。

英国、ノルウェーなどにおける5G技術の活用事例

 5Gのユースケースは世界中でさらなる広がりを見せている。たとえば、英国のVodafoneは、フル5Gといえる「スタンドアローンネットワーク(SA)」サービスを開始。SAとは、4G LTEのコアネットワークと5G基地局を組み合わせた構成ではなく、5Gの新技術でそれらから独立してネットワークを構成する方式のことを指す。

 同じく英国のコベントリー大学では、VR(仮想現実)技術を使った医療トレーニングなどの教育分野に5Gを採用している。5Gのメリットの1つとして、アインシュタイン氏は「ワイヤレスである」点を挙げ、「5Gによってケーブルが不要となり、動きが制限されることがなくなった」と説明する。

 ノルウェーでは、水産業で5Gによる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を進めている。従来は、海中ゲージに設置されたカメラでサケの養殖状況を監視するシステムに4Gを活用してきたが、監視映像はモノクロ画像で解像度も鮮明とは言えなかった。5G活用によってカラー画像となり、解像度も格段に向上し、エサの摂取状況だけでなく、サケの体表の寄生虫まで把握可能になったという。

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海外各国の5G事例

【次ページ】5G関連の今後の注目株は「MEC」「ネットワーク・スライシング」「Open RAN」

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