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  • 2019/12/11 掲載

【ITRが調査】企業は本当に5GとIoTに取り組んでいるのか?

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IoT、AI、5Gネットワークといったテクノロジーが実現レベルで到来し、今はまさに大きな時代の転換期にあるといえる。そうした中で、日本企業はどのような戦略を取るべきか。ITR チーフ・アナリスト マーク・アインシュタイン氏が、海外を含めた最新テクノロジーの活用動向とともに、国内でも萌芽期に差しかかったデジタル・イノベーションの事例を紹介する。

執筆:フリーランスライター 吉田育代

執筆:フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

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ITR チーフ・アナリスト マーク・アインシュタイン氏

今や大半の企業に何らかのIoTプロジェクトが存在

 ITRが行ったIoT導入動向調査の結果(回答件数407)によると、今や大半の企業に何らかのIoTプロジェクトが存在するという。その66%は、より多くの投資をIoTに振り向けたいと考えている。

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IoT予算の増減予想
(出典:ITR)

 その投資規模も、現在は1~20億円未満が中心だが、 3年後予想には80億円以上という企業も11%存在する。現在、最大の投資対象となっているのはIoTプラットフォーム(57%)であり、それに続くのが「3G/4G/5G」(39%)、「AI/マシンラーニング」などだ。

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IoTプロジェクト規模
(出典:ITR)

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IoTで投資したい分野
(出典:ITR)

「『自社のIoTサービスに使用されているテクノロジーは何か』という項目は、毎年調査しています。IoTプラットフォームが最も多いのは変わりませんが、『AI/マシンラーニング』が上位になったのは新しい変化です。こうした形でのデジタルトランスフォーメーションが始まっています」(アインシュタイン氏)

 では、なぜIoTに力を注ぐのか。その理由を示したのが次の図だ。

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IoTを実装する動機
(出典:ITR)

 47%が「従来方式では収集できなかった新たな種類の情報・データを得るため」、41%が「従来方式よりも高頻度で情報・データを収集するため」と答えている。

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企業向けIoTサービスで意図する機能
(出典:ITR)

 では、それをどのような分野に期待しているのか。これは企業によってさまざまだが、12%と最も多かったのが「モノ(物流・在庫)のトラッキング」で、「工場生産の最適化」が9%で続く。今まで獲得できなかったデータをセンサーで取得することで、さまざまなエネルギーコストを下げていこうという企業の姿勢が見てとれるようだ。

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IoT活用に関する課題
(出典:ITR)

 その一方で課題も存在する。最も懸念されているのは「IoTに関する社内スキルの不足」(47%)だが、同氏は「組織の壁」と「セキュリティ」もあなどれないテーマだと指摘する。

「誰がIoTプロジェクトをけん引していくのか。ITなのか、マーケティングなのか、それとも業務部門なのか。きちんとした答えはありません。また、IoTセキュリティに関しても、ハッキングされたことが『ない』といえるのは48%にとどまります。活発ではありますが、将来に向けてIoTにはたくさんの課題が山積していることも事実です」(アインシュタイン氏)

主要なテクノロジー7種の中でも、注目すべきは5Gネットワーク

 次にアインシュタイン氏は、デジタルトランスフォーメーションで注目されるテクノロジーとして、次の7つを取り上げた。

・5Gネットワーク
・AI
・ロボティクス
・xR(VR、ARなどの総称)
・バイオメトリクス
・エッジコンピューティング
・デジタルツイン

 その中でも同氏が最も強調したのが、5Gネットワークだった。この領域で一歩リードしているのが中国、韓国で、すでに実用化されている。

 アインシュタイン氏は、北京やソウルに出かけてデバイステストを試みたところ、3Gビット/秒をマークしたそうだ。中国では、5Gネットワークの広帯域・低遅延という特長を生かした遠隔手術も実現し、3000km離れて5Gを使って手術が行われた。

【次ページ】顔画像をめぐるバイオメトリクスが進み、希少疾患の診断も可能に

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