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  • 2021/12/16 掲載

ローコード開発の選定に役立つ11の機能要件、9の非機能要件、ガートナー飯島氏が解説

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アプリケーション開発の迅速化ニーズが高まりながらも、IT部門は年を追うごとに多忙さを増しており、なかなか着手できないケースも多い。こうした中、関心が高まっているのが、コード記述を抑えることで開発期間を短縮するとともに、現場による開発、いわゆる市民開発の活性化などが見込める「ローコード開発」であり、そのための「ローコード・アプリケーション・プラットホーム(LCAP)」だ。ガートナー ジャパン リサーチ&アドバイザリ部門 アプリケーション・アーキテクチャ、プラットフォーム、インテグレーション担当 シニア ディレクター 飯島公彦氏が、最適なLCAP選定に向けた3つのステップ、11の機能要件、9の非機能要件、開発フェーズで留意すべき4つのポイントまで、詳しく解説する。

執筆:フリーライター 岡崎勝己

執筆:フリーライター 岡崎勝己

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コード記述を抑えて開発期間を短縮するLCAPを使いこなすためのポイントとは?
(Photo/Getty Images)

※本記事は「Gartner IT Symposium/Xpo 2021」の内容をもとに再構成したものです。

専門知識乏しくても開発生産性を高めるLCAP

 経営環境のめまぐるしい変化に対応すべく、アプリ開発の迅速化ニーズは高まる一方だ。その実践手法として近年になり脚光を浴びているのが、ローコード開発のための機能や開発プロセスを提供するLCAPだ。LCAPとは「プログラミングのモデル駆動型などによる高度な抽象化」「ワンストップでの実装」「アプリケーション実行環境と管理機能」「UIやビジネス・ロジック、データの開発」などの要件を満たす開発ツールとガートナーは定義する。

 LCAPのメリットは多岐にわたる。まずは事前に用意された機能ブロックを積み上げる感覚での開発を通じて、専門知識が乏しくとも開発に乗り出せることもその1つ。昨今の市民開発の広がりも、LCAPの登場があったからこそだ。また、同様の理由から、開発生産性を大きく高められることもある。

 加えて、モバイルやプロセス自動化など、多様な領域での開発で活用が見込めることも大きく、セキュリティやディザスタリカバリーなどの多様な管理機能も備え、各種管理の仕組みを容易に実装できる点も見逃せない


最適なLCAP選定に向けた3つのステップ

 その上で、LCAPはいまだ現在進行形で機能を拡充している最中だ。ガートナーの飯島公彦氏は、「アプリケーションの開発と実行というコア機能を中心に、関連機能の拡充も急ピッチで進んでいます。その代表が、データモデルの作成・読み込みのためのデータベース機能や、プロセス構築・ワークフロー実行のためのプロセス管理機能などですが、それ以外にもシステム連携のためのAPI管理や、機能実行中の各種判断のためのAIなども、今では標準的に用意されているほどです」と説明する。

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図1:LCAPは開発と実行というコア機能を中核に、関連機能の拡充も急ピッチで進んでいる
(出典:Gartner)


 もっとも、LCAPには製品ごとに、機能や特性の違いが厳然として存在する。そうした中での、自社に最適なLCAP選定に向けたアプローチとして飯島氏が提示するのが、次の3つの観点による段階的な確認だ。

 まずは、LCAPによるアプリ開発の「目的」だ。LCAPはアプリ開発のための機能を豊富に備えるが、それらの重要度は当然、何を目指すかにより変わってくる。例えば、「業務の自動化・連携・インテリジェント」が狙いであればプロセス管理やAIなどの機能、「市民開発による現場に近い領域での開発活性化」であれば本来機能であるアプリケーション開発と実行機能、「SaaS拡張」であれば外部連携のためのAPI管理機能の重要性が当然ながら増す。

「そこで、利用シーンやビジネスで期待する成果を基に、LCAPの利用の目的を明確化します。狙いが複数にわたることも往々にしてありますが、後々を考え、何を優先すべきかもこの段階で決めておくべきでしょう」(飯島氏)

【次ページ】11の機能要件、9の非機能要件

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ローコード/ノーコード開発最前線 2024

DXがビジネスの必須要件となった今、ビジネスのあらゆる領域でアプリ開発のニーズが高まっています。しかしながらエンジニアやリソース不足で思うように開発が進まず、サービスのリリースや機能改善が滞っているケースも少なくありません。こうした状況を放置していると社内のDXの停滞を招くだけでなく、企業全体の競争力低下や収益低下にもつながりかねない状況です。このような中で注目を集めているのが「ローコード/ノーコード開発」です。「ローコード/ノーコード開発」を導入することで、アプリ開発の高速化を実現できるだけでなく、エンジニアのいないスモールオフィスや業務部門においてもアプリ・サービス開発が進められるようになります。顧客や業務部門の声を直接アプリやサービスに反映できるローコード/ノーコードはDXの起爆剤となりうる可能性を秘めています。とはいえローコード/ノーコードの開発が開発の柔軟性や提供したい機能を必ずしも満たしているとは限らず、その選定と採用には事前の情報収集や実装のための体制づくりが重要となってきます。本セミナーではDXを加速する「ノーコード/ローコード開発」導入にあたっての課題やノウハウを事例を交えて解説いたします。

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