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  • 2019/04/03 掲載

OSS最新動向:「ミッションクリティカル化」は進展するか? ドイツが鍵を握るワケ

松岡功「ITキーワードの核心」:第12回

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本連載では、ITトレンドから毎回ホットなキーワードを取り上げ、その最新動向とともに筆者なりのインサイト(洞察)や見解を述べたい。第12回に取り上げるキーワードは「OSS(オープンソースソフトウェア)」。とくにこの分野でエンタープライズ市場に存在感を持つドイツSUSE(スーゼ)の幹部に取材する機会を得たので、同社の事業戦略を通じてOSSの最新動向を探ってみたい。

ジャーナリスト 松岡 功

ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。危機管理コンサルティング会社が行うメディアトレーニングのアドバイザーも務める。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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(左)SUSE アジアパシフィック
日本地域担当 バイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャー および
日本法人SUSEソフトウエアソリューションズジャパン 代表取締役
アンディ・ジャン氏
(右)日本法人 カントリーマネージャー
川崎哲郎氏

ミッションクリティカルな業務に広く使われるLinux

 「SUSEは独立したソフトベンダーとして、今後一層OSS事業に注力し、お客さまにこれまで以上に高品質なサービスを提供していきたい」――。

 こう語るのは、SUSEのアジアパシフィック・日本地域担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーで、同社の日本法人SUSEソフトウエアソリューションズジャパンの代表取締役も務めるアンディ・ジャン(Andy Jiang)氏だ。同氏と日本法人のカントリーマネージャーを務める川崎哲郎氏に取材する機会を得た際のひとコマである。

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 ジャン氏が「独立した」と強調したのは、2014年に英国のITベンダーであるマイクロフォーカス・インターナショナルに買収されたSUSEが、2019年3月からスウェーデンの投資会社であるEQTの傘下へ完全移行し、特定ITベンダーの傘下から独立した立場になったからだ。

 この動きは、サーバ用OSであるLinuxをはじめとしたOSSでSUSEと競合する米Red Hatが2018年10月、米IBMに買収されることになった発表とは正反対とも見て取れる。

 ただ、2019年後半にIBMの傘下に入るRed Hatもそのままの形態で事業を継続すると見られているので、SUSEとの市場争いは引き続き繰り広げられることになりそうだ。

 SUSEが独立したソフトベンダーになったことについては同社日本法人の発表資料をご覧いただくとして、ここからはSUSEの事業戦略を通じてOSSの最新動向を探ってみたい。

 1992年にドイツで創業したSUSEは、日本では「SUSE Linux」というオープンソースのOSの名称で知られるようになっていった。同社の主力製品である商用Linuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)」は、メインフレームやインメモリデータプラットフォーム「SAP HANA」、ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)向けなど、まさしくミッションクリティカルな処理が求められる各市場で、5割から8割の高いシェアを獲得しているという。(図1)

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図1:ミッションクリティカル市場で利用されるSUSE Linux
(出典:SUSE日本法人の資料)

 また、Linuxと同じオープンソースのクラウド基盤(IaaS)構築ソフトウェア「OpenStack」の展開にも注力。同社はOpenStackの推進プロジェクト「OpenStack Foundation」のプラチナメンバーとして積極的に活動しているほか、オープンソース技術の推進企業として多くの開発コミュニティに貢献している。

オープンソースベースで幅広い製品ポートフォリオを用意

 SUSEの製品ポートフォリオは現在、図2のように広がっている。

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図2:SUSEの製品ポートフォリオ
(出典:取材時に筆者撮影)

 この製品ポートフォリオは2つに大別できる。

 OSのSLESやIaaS向けの「SUSE OpenStack Cloud」、ストレージ向けの「SUSE Enterprise Storage」などからなる「Software-Defined Infrastructure(SDI)」領域と、コンテナ管理向けの「SUSE CaaS Platform」やPaaS向けの「SUSE Cloud Application Platform」からなる「Application Delivery」領域だ。

 つまり、SDIとApplication DeliveryがSUSEの事業領域である。

 図3に示したのは、図2の各領域で推進されているオープンソースベースのプロジェクトおよびその製品名称である。

画像
図3:製品ポートフォリオの各領域で推進されているオープンソースベースのプロジェクトおよびその製品
(出典:取材時に筆者撮影)

 ジャン氏によると、「SUSEは各領域で進められているプロジェクトとも密接に連携している」とのこと。オープンソースと共にあるSUSEを如実に表した図といえる。

【次ページ】SUSEの製品群が存在感を増してきている背景

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